阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2011年2月28日FACTAleaks――対チャイナ・ボーチー戦争4 程里全への質問状

    昨年12月28日にボタ石発電所が着工していない事実を確認した時点で、2月号(1月20日発売)の締め切りまでまだ10日余りありました。しかし本誌は、記事の掲載をあえて3月号に延ばし、ボタ石発電所が今日まで「着工できない」理由をあらゆる角度から調べ上げることにしました。

    仮に発電所の建設が途中で止まっていたのなら、「一時中断しているだけ」などと強弁することもできたでしょう。しかし建物の基礎工事にすら着手していないとなると、話が全く違ってくる。本当は「着工できない」事情があるにもかかわらず「建設中」と嘘をついていたのか、あるいは最初から嘘の情報を意図的に投資家に開示していたのだとすれば、有価証券報告書の虚偽記載や風説の流布に該当する疑いが濃厚です。立証されれば上場廃止は避けられない。

    チャイナ・ボーチーは創業6年目の新興企業だったにもかかわらず、東京証券取引所はどういうわけか1部への直接上場を認めました。主幹事を務めたのは大和証券、法務代理人は森・濱田松本法律事務所、会計監査はトーマツと、いずれも日本を代表する大手ばかり。ボーチーが最初からイカサマ企業だったとすれば、東証、大和、森濱田、トーマツの目は節穴だったか、さもなければ審査を手加減したと疑われても当然です。これはボーチー1社の問題ではなく、日本の株式市場全体の信頼をゆるがしかねない問題だからこそ、本誌は発電所が「着工できない」理由の解明に時間をかけることにしたのです。

  • 2011年2月25日FACTAleaks――対チャイナ・ボーチー戦争3 趙広隆と奇妙な事実の数々

    本誌はなぜ「幻のボタ石発電所」を発見できたのか、そのタネ明かしをしましょう。今回の調査報道の原点が、昨年9月号でスクープした、ジャスダック(旧大証ヘラクレス)上場のセラーテムを「ハコ」にした怪しい中国企業の裏口上場疑惑にあることは言うまでもありません。

    死に体だったセラーテムの第三者割当増資を引き受けて発行済株式の49%を取得し、北京誠信能環を買収(事実上の裏口上場)させるための資金を提供したのは、英領バージン諸島に登記された中国系投資ファンド「Wealth Chime Industrial(WCI)」でした。そのオーナーである趙広隆は、北京の電力関連投資会社「国能中電能源」の代表者であることを本誌はつかみ、昨年8月に事務所を直接訪ねて取材を申し込みました。しかし、応対に出た社員は「趙社長はここにはほとんど来ない」、「取材は受けられない」と繰り返すばかり。百度(バイドゥ)など中国語の検索エンジンで国能中電能源を検索しても、役に立ちそうな情報は得られませんでした。

    ところが、突破口は意外なところで見つかりました。ダメもとで日本語のグーグルで国能中電能源を検索すると、「山西寿陽明泰国能発電有限公司の買収に関するお知らせ」と題したチャイナ・ボーチーの2008年5月19日付のIR(投資家向け広報)がヒットしたのです。さらに詳しく調べてみると、奇妙な事実が次々に浮上しました。

  • 2011年2月22日3月号「廃墟かんぽの宿」記事の訂正

    最新号(3月号)の26~27ページに掲載した「廃墟『かんぽの宿』高値鑑定 現物出資の新錬金術」の記事中、27ページ2段目の「共同不動産鑑定事務所」とあるのは「共立不動産鑑定事務所」の誤りでした。本文と図中の記述を訂正するとともに、お詫び申し上げます。

  • 2011年2月22日FACTAleaks――対チャイナ・ボーチー戦争2 幻のボタ石発電所

    3月号の記事「東証の『時限爆弾』チャイナ・ボーチー」はお楽しみいただけましたか。ボーチーが東証1部に上場したのは2007年8月8日(北京オリンピック開幕式のちょうど1年前)でしたが、同社は当時から「山西寿陽ボタ石発電所プロジェクトは建設中」と称してきました。07年11月20日付のIR(投資家向け広報)にも「現在建設中」、「2010年4月に竣工予定」と書かれています。ところが、それは真っ赤な嘘であり、現地は人っ子ひとりいない枯れ野原であることを本誌は暴露しました。

    前回ブログでクイズに出した写真は、ボタ石発電所の建設予定地の全景です。ちなみに撮影したのは昨年12月28日。なぜ着工していないのか裏付けと分析を重ねたうえ、満を持して記事を送り出しました。次回のブログでさらに詳しく書きますが、せっかくだから現地の写真をもっと公開しましょう。動かぬ証拠ですから。

  • 2011年2月18日FACTAleaks――対チャイナ・ボーチー戦争1(続・対セラーテム戦争)

    前回からだいぶ間が開いてしまいましたが、FACTA Leaksを再開しましょう。本誌は昨年10月号の記事で「徹底調査を続ける」とお約束しましたからね。2月20日発売の3月号(ウェブサイトでの記事公開は19日正午)に、セラーテムの背後にからむ東証1部上場の中国系企業、チャイナ・ボーチーの重大疑惑を掲載します。

    詳しくは記事を楽しみにお待ちください。それまでの余興として、ひとつクイズを出しましょう。下の写真の撮影地は一体どこでしょうか?


  • 2011年2月 7日時代を読むコラム――幼稚園という「諜者の花園」

    新潟日報などの地方紙のシンジケートコラムに寄稿しました。

    今回はちょっと違った趣向で、例の「幼保一体化」問題。大阪地検特捜部の冤罪が晴れて職場復帰した村木厚子・元厚生労働省局長を内閣府政策統括官に起用して進めようとしたが、こちらは幼稚園の抵抗が強く、「こども園」に統一する義務なしの結論に落ち着きそうだ。

    文中にもあるように本誌1月号で記事を載せたら、「幼稚園原理主義」という言葉に幼稚園関係者からメールをいただいた。この記事はそれへの回答でもある。