阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2010年10月20日11月号東電記事での訂正 

    最新号(11月号)の12ページ「『不意打ち』5千億円増資に東京電力株急落」の記事で、末尾に増資の公募価格が「1348円」とあるのは「1843円」の誤りです。訂正してお詫びします。  編集部

  • 2010年10月 9日FACTAleaks――対セラーテム戦争17 まだ残る謎 黒幕は誰か

    この辺で“事件”をもう一度整理してみよう。セラーテムに取材を申し込む前の時点で、FACTAは下記の3つの疑惑に確信を得ていた。

    1)セラーテムの北京誠信買収は、前者を「ハコ」にした裏口上場だったのではないか

    2)スマートグリッド受注などのIR(投資家向け広報)は、株価つり上げを狙った誇大宣伝(風説の流布)ではないか

    3)一連の操作には、東証1部上場の中国企業チャイナ・ボーチーが深く関与しているのではないか

    案の定、セラーテムは疑惑に関してまともな釈明も反論もできなかった。ブログで全面公開したFACTAと同社のやりとりを読めば、それは一目瞭然でしょう。

    だが、まだ解明できていない大きな謎が残っている。“事件”の本当の黒幕は誰なのかである。セラーテム取締役CFOで元中国人の宮永浩明、北京誠信会長兼セラーテム会長の于文革、中国系ファンド「Wealth Chime Industrial Limited(WCI)」のオーナーの趙広隆、同じく中国系ファンド「New Light Group Limited(NLG)」のオーナーの庄瑩、チャイナ・ボーチー取締役(前CEO)の白雲峰。これらの5人が、何年も前から直接間接に親密な関係だったことは明白だが、一連の操作を誰が主導したのか、それによって誰が一番得をしたのか、現時点では確証が得られていない。また、セラーテムの第三者割当増資を引き受けたWCIとNLGは、英領バージン諸島に登記されたペーパーカンパニーであり、実際の資金の出し手が誰なのか見えない。本当の黒幕は他にいるかもしれないのだ。

    謎を推理するのに有効な手だての1つは、ばらばらの情報を時系列で並べ直してみることだ。いつ、誰が、どこで、どんな行動をしていたのか。関連性が薄いと思われた複数の出来事が同じタイミングで起きていたなど、見落としていた意外な事実に気付く事が多い。そこで、FACTAとセラーテムの攻防が始まった8月6日の決算発表会までの時系列情報を公開しましょう。興味のある方は、謎解きに加わってください。

  • 2010年10月 8日高橋洋一「日本経済のウソ」のススメ 日銀赤っ恥を予言

    日銀の鳴り物入りの追加緩和が、なぜ円高の火消しにならないか、それを知りたい人は本書をひもとくといい。

    FACTAは8月号でエール大学の浜田宏一教授と、嘉悦大学の高橋洋一教授の対談「白川日銀の迷走と危うい小野理論を憂う」を掲載している。浜田教授が東大時代の弟子、白川方明日銀総裁を批判する文章を公表したからだ。

    その高橋教授(「埋蔵金男」)が、ちくま新書から出したのが「日本経済のウソ」である。そのページの多くは日銀批判にあてられているが、リーマン・ショック直後から白川日銀の頑迷と小出しと、結果としてシロをクロと言いくるめる強弁を批判してきた本誌としては、この本のロジックと軌を一にするところが多い。

    本書を「視野が狭い」などと批判する、視野の狭い評者もいるようだが、8月10日の政策決定会合ではFRBに置いてけぼりにされて、円高と株安に追いまくられ、催促相場に負けて追加緩和になることが分かっていたのに、白川総裁はちっぽけな虚栄心にこだわってあえてカタストロフを選んだ(カンザスシティーにまで逃げだして緩和圧力を無視し、ダダをこねたあげくに、臨時会合を開いてやっぱり渋々緩和し、出遅れの証文に市場は冷ややかに反応した)。

    そんな「地頭の悪い」総裁を見ていたら、どちらの視野が狭いか一目瞭然だろう。

  • 2010年10月 6日FACTAleaks――対セラーテム戦争16 勘違い回答

    予想通り、セラーテムから回答書が届いた。第一印象はまあ、于文革氏からの抗議文と大差ありません。

    田原君の協力を得て中国で取材をしたことを、鬼の首でも取ったように騒いでいるのがおかしい。フリーランスの記者に取材を依頼して何が悪いのでしょうか。FACTAはFACTA、新世紀は新世紀です。新世紀が田原君に協力を依頼したとしても、どちらも自分の取材を土台にしているので、本来の出所は別々の記事だということがわからないんでしょうかね。

    回答書がブログで公開されるのを意識して、FACTAがいかに「悪徳」であるかを強調しようと必死ですが、大証批判はこれとは別にとことんやりますのでセラーテムさんはご心配なく。回答書が感情的になってくるのはこちらも思う壺である。それで自分たちの信用が回復すると本気で思っているのだとしたら、別の意味でコワイ方々だ。

    本誌が送った4通の質問状に、セラーテムは一度もまともに回答できなかったばかりか、中国の「新世紀」誌の記事が自主的に削除されたなどと真っ赤な嘘をついて大恥をかいた。冷徹な投資家にとって、それがすべてと言っても過言ではないでしょう。

    さて、回答書を掲載しよう。なぜかファクスで送ってくるので、打ち直しに手間が掛かる。

  • 2010年10月 1日FACTAleaks――対セラーテム戦争15 四度目の質問状

    于文革氏からの抗議文が届いた翌日、本誌はセラーテムに四度目の質問状を送った。今回も締切ぎりぎりである。于文革氏は「回答する義務はない」と啖呵を切ったが、痛いところを突けばおそらく反応すると読んでいたからだ。

    同時に、セラーテムの会計監査を担当するパシフィック監査法人の笠井浩一会計士にも質問状を送った。そちらも併せて公開しましょう。