阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2010年9月29日FACTAleaks ―― 対セラーテム戦争14 于文革からの抗議文

    于文革氏への質問状は回答期限を9月7日としたが、音沙汰がない。そこで「朗」氏にメールを送り、「反論できないということか」と念を押した。すると9月9日、中国語の文書がFAXで送られてきた。読めば一目瞭然だが、回答書ではなく抗議文である。このブログの挑発に乗って感情をむき出しにするあたり、上場企業経営者としての于文革氏の資質が垣間見えて興味深い。FACTAは投資家の目線で質問しているという前提が、まったくわかっていないのでしょう。

  • 2010年9月28日FACTAleaks――対セラーテム戦争13  于文革への6項目質問状と悪徳雑誌呼ばわり

    8月下旬、本誌はセラーテムが子会社化した北京誠信能環科技のオフィスを再び訪れた。また、同社の登記上の住所も確かめに行った。その顛末は10月号の「窮鼠セラーテムの『お笑い』弥縫策」をお読みいただきたいが、現地に行ってくれたのは前回のブログで触れた田原君である。

    北京誠信が尋常な会社でないことは、実際に訪れればすぐにわかる。応対に出てくる社員は、何を聞いても「自分にはよくわからない」、「広報担当者が不在」と言うばかり。広報担当者の名前と連絡先を聞いても答えない。「あなたの名前と連絡先を残せば、広報担当者が連絡する」というが、実際には音沙汰なしだ。

    しかし、彼らはFACTAが登記上の住所まで調べに行くとは思っていなかった。実際に行ったのは8月27日の昼間だったが、不意を突かれて大慌てしたのだろう。その日の夕方、田原君の携帯が突然鳴った。相手は北京誠心の「朗」と名乗る人物で、「話がしたいので8月30日午前11時にオフィスに来てもらいたい」と、こちらの都合も聞かずにいう。だが、田原君は翌朝の便で帰国しなければならなかった。そこで、北京在住のジャーナリストの王建鋼氏に代理を頼んだ。王氏がちょうど出張中だったため、「朗」氏に日程変更を求めると、9月2日午前10時を指定した。

    ところが当日の午前9時になって、「朗」氏は一方的にキャンセルを通告してきた。その間、8月28日にこのブログの連載が始まり、8月30日には中国の週刊誌「新世紀」がセラーテムの記事を掲載した。よほどお気に召さなかったのでしょう。

    広報担当者が会おうが会うまいが、FACTAは聞くべき事を聞くだけです。9月2日、北京誠信会長兼セラーテム会長の于文革に宛ててメールとFAXで6項目の質問状を送った。以下はその全文です。原文は中国語なので多少ぎこちない日本語になっている点はご容赦ください。

  • 2010年9月27日FACTAleaks――対セラーテム戦争12  やっぱり「裏口」が好き

    そろそろブログを再開しよう。

    9月15日、セラーテムの株主総会が開催された。毎月20日発売のFACTAにとって、締め切りの都合上、ほとんどカバーできないタイミングだった。10月号に掲載した続報記事は既に校了済み、民主党代表選の記事を下版の直前に突っ込むため、小生は編集部から離れられない。

    そこでフリージャーナリストの田原真司君に取材を頼んだ。セラーテムに関する調査報道は、日本と中国の複数のジャーナリストから協力を得ている。田原君はその1人で、中国語も堪能だ。8月6日の決算説明会では小生に同行し、北京にも行ってもらった。今回あえて彼の名前を出した理由は、おいおい説明しましょう。

  • 2010年9月17日10月号の発送とオンライン版リニューアル

    いやはや、民主党代表選の9月14日というタイミングは、本誌にとって最悪だった。ほとんど下版と間がないので、やむなく締切を1日繰り下げた。そのため、10月号の配達も1日遅れになりますのでご容赦ください。

    オンライン版のほうは、通常通り19日正午より最新号の全記事をご覧いただけます(定期購読会員のみ)。まだ登録をされていない方は、こちらよりお手続きください。

    さて、そのオンライン版ですが3年ぶりにリニューアルします。ご利用いただいている読者の方が戸惑わないよう、なるべく全体の構成や配置を変えずに、より見やすいデザインにしたつもりです。なお、本日14~19時の間は、作業のためいったん閉じさせていただきますので、こちらもご容赦ください。

  • 2010年9月14日FACTAleaks――対セラーテム戦争11  真っ赤な嘘

    民主党代表選のカバーで編集にばたばたしているが、再び速報を挟もう。

    10月号の締切間際にセラーテムから回答書が届いた。その全文は編集期間が終わってから公開しますが、同社の本質をあからさまに示すくだりがあったので、そこだけ先に披露しましょう。

    このブログの「対セラーテム戦争3 日中連携報道」で、中国の週刊誌「新世紀」が「セラーテム、智能電網(スマートグリッド)の謎」と題した長文の記事を掲載し、同誌のウェブサイト「財新網」にも公開されていると伝えました。この記事について、セラーテムは回答書で次のように言ってきた。

  • 2010年9月12日FACTAleaks――対セラーテム戦争10 再質問状への回答

    半ばあきらめていたが、8月12日ギリギリにセラーテムから再度、回答をいただいた。もう締め切りである。それがどう雑誌に反映されたかは、FACTA9月号(8月20日発売)の「『中国のハイエナ』が大証裏口上場」の記事をご覧ください。これまでのやりとりを含めて、FACTAの調査報道がどこまで徹底しているかの証明となるだろう。しかもこのブログで完璧に質疑を公開しているのだ。こちらは万全の構えで、あとはボロをだすのを待つだけだ。

  • 2010年9月11日FACTAleaks――対セラーテム戦争9 再質問状

    8月9日付ファクスでセラーテムが打ち返してきた回答は、詳細に取材していたFACTAの追及をかわそうと、懸命に反論しようとしているが、随所で矛盾をきたしていた。もはや締め切りギリギリである。間際に4項目の質問を送り、最終デッドラインまでの回答期限をつけた。

    最後の段落は、ありきたりの法的措置云々の脅しに対するカウンターパンチである。この手の脅しに弱い新聞やテレビとFACTAは違う。過去にも徹底報道の結果、当局が動いて立件にいたった事例がいくつもある。

    このブログでおいおい明かしていくが、本件は捜査当局および関係当局も取材対象にしているので、当然、お上も周知の事件になっている。立件される見通しになれば、その時に報じよう。

  • 2010年9月10日FACTAleaks――対セラーテム戦争8 脅しつき回答

    8月10日、先の決算説明会で手渡した9項目質問状に対し、セラーテムから回答がファクスで送られてきた。仰々しく社印と代表者印が捺してあり、「貴社が虚偽の事実を記載した雑誌を発行した場合には、法的措置を執る用意があります」などと脅しの文句を並べている。

    調査報道がこれくらいで動じると思っているのか(現に発行から2週間以上たった9月9日現在、なんの抗議文も届いていない。サイトで勝手なリリースを流し、弊誌に正面から反論を挑んでもこない)。

    とにかく回答なるものをここに掲載しよう。

    なお、FACTAが調べたセラーテムと北京誠信の相関図は下記の通りである。こちらを念頭に、セラーテムとのやり取りをご覧いただきたい。

  • 2010年9月 7日FACTAleaks――対セラーテム戦争7  9項目質問状

    8月6日の会見後に9項目質問状を、池田、宮永両人に手渡した。質問状を作成したのは7月30日であり、途中の回答期限を8月6日としたのは当方の誤記である。

    7月30日にFAX送信するのをやめて会見で手交することにしたからで、この時点での回答期限は8月9日(火)とすべきところだった。次回で披露する回答で噛みついてきたが、質問状の内容を読めば、単にアリバイ的な質問ではなく、取材の経過も含めてFACTAの意図を丁寧に説明してある。

    これがセラーテムを震撼させたことは間違いない。即答できないほど慌てたに違いないが、こちらも締め切りがあり、そもそも取材拒否して逃げ切りを図ったのはセラーテムなのだから、時間の問題は彼らに責任がある。

  • 2010年9月 6日FACTAleaks――対セラーテム戦争6  お笑い決算会見(下)

    8月6日のセラーテム決算説明会のQ&Aの続きである。

    セラーテムの中国プロフィットセンター、北京誠信に実体があるのかと問い詰められて、池田社長も宮永取締役も色をなした。やはり、北京を取材したいと言われて取材拒否したのは、行かれては困る理由があるからだろう。彼らはFACTAがすでに現地を取材していることを知らなかったのだ。まさか中国まで見に行くことはあるまいと高をくくっていたのだろう。甘い甘い。

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    セラーテム宮永取締役 この件については関東財務局とも協議して、とくに問題が指摘されていなかったのですけれども。

    FACTA それは要するに、中国(企業)と提携してこういう複雑なスキームをつくって、関東財務局がよくわからなかったからではないですか。

    セラーテム宮永取締役 弊社の中国の(子会社の)ほうに行っていただいて、会社が実在しているかどうかを含めて、(ビジネスを)実施しているのかということですが、当然、弊社のほうも監査法人も入って監査もしています。ご質問の意図の、要は、本当はやっていないのにやっているのではないかと言う意図がよくわからないのですが、我々のほうの会社で実際にやったことを実施しているということは事実です。

  • 2010年9月 3日FACTAleaks――対セラーテム戦争5  お笑い決算会見(中)

    8月6日のセラーテム決算説明会の会見の続きをお知らせしよう。FACTAの追及に続き、会見に出ていたアナリストも質問を始めた。

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    他の質問者 先日、御社は中国でスマートグリッドを受注されたというリリースが出たので、私、問い合わせましたけれど、対応した方の説明だと、単に電力メーターを遠隔監視をするというシステムだという説明でした。それはそもそもスマートグリッドと呼ぶのでしょうか。

    セラーテム池田社長 まず、開示いたしました3件のところで、先ほどの図のところの川下と川中で、送電網に関してはおっしゃるとおりで、送電の仕組みのなかでどれだけ最適化するかということでリモートでモニタリングをするなどのシステム的な部分があります。

    川下に関しては、送電網から、いわゆるスマートメーターを単純に置くというだけではなく、電力の流れのネットワーク化に近いものなので、そういったかたちで使用量に応じて最適な量で制限する。それを送電からまず町、町のなかからそれぞれのマンション、マンションからマンションのそれぞれの部屋ということで、それを最適化するようなシステムもあるので、最初に言われたスマートグリッドのいわゆる大きな概念のなかの一部と考えていただいて結構です。

    すみません。ご説明のほうがちょっと不十分だったかもしれませんが、そういったものです。

    注) まったく不十分で、どこかで聞いたスマートグリッドの説明をおうむ返しに言うだけ。スマートグリッド受注案件3件とは、10年7月16日発表の北京市民政局住宅合作社と北京中弘投資有限公司、そして7月30日に発表した広東電網公司との契約のことだろう。対セラーテム戦争3で報じたように、「財新メディア」の取材ではその実体に疑問符がついている。

  • 2010年9月 2日FACTAleaks――対セラーテム戦争4  お笑い決算会見(上)

    セラーテムの4~6月期決算の発表と会見は、8月6日に東京の茅場町の日本証券会館1階、大証インベスターコンファレンス会場で行われた。本来、セラーテムは大証ヘラクレス上場企業だけに大阪で発表するかと思ったが、東京で行われることになったのだ。

    飛んで火にいる……とはこのことだろう。

    腕を撫して待つFACTAは一番前の正面の席を占めた。会見には池田修社長(写真)と、CFOの宮永取締役が出席した。池田社長が1時間近く、業績の説明(というよりはパワーポイントのポンチ絵を映しながら、ウェブフォントサービスなど画像ソフト事業の説明)を延々と続け、肝心の中国省エネ事業については「省エネに関する総合ソリューション」「省エネITコンサル事業」などと銘打って、えらく抽象的なお題目ばかりを並べたてた。ご本人がまるで分かっていないらしく、ほとんど口パクとしか聞こえない。

    それからQ&Aに移って、FACTAの追及場面になる。同席していたアナリストも目をむくような質問の連続(われわれを証券監視委員会の人間かと思ったらしい。まさかね)に、池田社長はあたふたするばかり。いきなり馬脚を現わしたのには苦笑してしまった。彼らが公開した動画でQ&Aをオミットしたのは、少しは恥を知っているということか。

    退屈な社長の独演はすべて飛ばし、Q&Aだけとりあげよう。