阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2010年5月27日長谷川幸洋「官邸敗北」のススメ

    政治報道は難しい。

    FACTAにおいてもそれは例外ではない。表層に見えるのとは違う動きが水面下で幾重にも錯綜し、突然流れが変わって動き出すと、わずか1日でだれも予測できなかった結果が出てくる。月刊誌の宿命とはいえ、毎月誌面を考えるたびに政治の3歩先を読むのは至難の業である。

    とりわけ鳩山政権のように、国家の経綸もなく、経験も浅く、それぞれの政治家の習性や癖も、自民党政権のように知られていないケースだと、ベテラン政治記者の大半は無力感を覚えているはずだ。

    現に私の知っていた「閥記者」たちも、わけ知り顔で語るだけで、多くは昔語りになっていった。この政権のつかみどころのなさを嘆き、難じるだけで、内懐に入ることのできないもどかしさがありありである。

  • 2010年5月14日高橋洋一「日本の大問題が面白いほど解ける本」のススメ

    わが社の近所にある三省堂書店本店に立ち寄ったら、ノンフィクションの棚に「高橋洋一」本のコーナーがあるのに驚いた。豊島園のわけのわからない珍事から1年余、ほぼ社会復帰を果たして、この4月から嘉悦大学教授として教壇に立っているばかりか、次々に新著が出てくる驚異的な多産ぶりには驚く。

    「あんまり変な共著者と組んで本を出すより、単独で本を出すほうがいいよ」

    と、ご当人にアドバイスしたら、今度は光文社新書から本が出た。編集者がつけたのだろうが、どうも最近の新書のタイトルは身も蓋もないのが多い。

    でも、副題の「シンプル・ロジカルに考える」というのはいい。高橋氏(というよりはこの本のように「タカハシ先生」と呼ぼう)の普段の思考法やライフスタイルが、まさに「シンプル・ロジカル」そのものだからだ。