笑ってしまった。でも、声を立てずに。
先週末、12月18日の日銀政策決定会合と白川方明総裁の会見である。決定会合の結論は政策金利である無担保コール翌日物金利の0・1%目標を維持する、つまり変更なしということなのだが、「この機会をとらえ、措置の背景にある物価安定に関する日銀の考え方をより明確な言葉で表現する」として、妙なことを言い出したのである。
日銀として消費者物価指数の前年比ゼロ%以下のマイナスの値を許容しえないこと、および委員の大勢は1%程度を中心値と考えていることをより明確に表現することにした。
これが笑わずにいられようか。ちょうど同時期に本誌1月号(12月20日発売)で「白川日銀は『デフレ誘導』」という目玉記事を載せて、日銀の金融政策が06年の量的緩和、ゼロ金利政策解除以来、コアCPI(エネルギー・食品を除く消費者物価指数)で一度も「マイナス領域」を脱出していないことをグラフで立証しているからだ。