阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2009年6月25日「バカヤロー経済学」のススメ――ホームズとワトソンの漫才

    世に新書のたぐいはいくらでもある。疲れたサラリーマンが、もうろうとした頭にむち打って、なにか知識をつめこもうとするとき、つい手にとって買ってしまうのが、こういう新書である。「バカの壁」から「サオダケ屋」など、いかにも手軽そうなタイトルについ釣られるが、トクしたと思う本はめったにない。

    だが、ときどき心にひっかかる新書がある。タイトルからして「知識ゼロから始めるバカヤロー経済学」(普遊舎新書、800円+税)と人を食ったものだが、中身は本来合理的であるべき経済につきまとう「理不尽」を、ホームズとワトソンの問答形式であえてやさしく書いたものだ。

  • 2009年6月19日7月号の編集後記

    FACTA最新号(2009年7月号、6月20日発行)の編集後記を掲載します。フリー・コンテンツの公開は26日からです。

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    90年代初め、「FORTY LOVE(40/0)」というムックがあった。40代になった団塊世代向けで、今はもうない。テニス好きならピンと来るだろう。「ラブ」とは0点のことで「40/0」とは、あと1本でゲームになるスコアだ。「本当は『0/40』というタイトルにして、絶体絶命の意味にしたかったけど、語呂が悪くて」と編集長が笑っていた。

  • 2009年6月16日「ジャッド」(Jade)のススメ

    FACTA次号では世界最大の鉄鋼メーカー、アルセロールミタルのジャン・イヴ・ラマンさんにインタビューした。

    彼とは不思議な縁で出会った。先日、日仏学院でフランスの「ラ・トリビューン」誌編集長と鼎談した際に、聴衆のなかにいらして質問されたのだ。やけに日本語が上手な人で、日本のメディアのインタビューを受けたことはあるのか、と聞いたら、07年10月に朝日新聞で仏和・和仏ミニ辞書について取材されたことはあるが、アルセロールミタル(もしくはその前身のアルセロール)の日本代表としては受けたことがないという。

    もったいない! 7月に帰国する前に「ぜひ」とインタビューをお願いし、面白いエピソードをたくさん聞くことができた。その際、彼に約束したことがある。6月に出たばかりの「ジャッド 生きることの不思議」(河出書房、税別1900円)の紹介である。ラマンさんの奥さんの寺田文子さんと、文子さんの幼友達の石川弓子さんが翻訳したフランスのベストセラーだ。帯には「少女版『星の王子さま』」とあり、50万部以上売れたという。インタビューでは、そこまで載せられないので、番外編としてここで紹介しよう。