阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2009年4月19日5月号の編集後記

    FACTA最新号(2009年5月号、4月20日発行)の編集後記を掲載します。フリー・コンテンツの公開は27日からです。

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    商売柄、徹夜して朝帰りすることが少なくない。車を降りて耳を澄ます。がらんとした夜明けの街に、さやさやと風が吹きわたる。新聞配達のスクーター、早朝出勤の靴音やジョギングの人の息づかい、散歩の犬のざわめきがだんだん高くなる。目覚めようとする都会の地鳴り。殷々と響くあの通奏低音は何と呼ぶのか。眠りに落ちる前に、幕末の風俗百科『嬉遊笑覧(きゆうしようらん)』を枕頭で開こう。

  • 2009年4月13日「有らざらん 弐」自薦文――「レイシズムの野史」という試み

    有らざらん 弐

    FACTA創刊時、オンブックの橘川デメ研代表の世話になって『有らざらん 壱』を本にしました。中公新書で出版した『イラク建国』のあと、9・11以降のテーマをしばらく模索する時期があり、レイシズムを取り上げようと思い立ったからです。六本木で出版記念会まで開いていただきましたが、雑誌編集に追われて続巻の執筆がなかなか進まず、ときどき人から「第二巻は出たの?」と聞かれて、恥じ入っていた次第です。

    実は残る4巻もほぼ書きあげていたのですが、どうしても何かが欠けている気がしてなりませんでした。昨年、アンリ・ヴェイユ(シモーヌ・ヴェイユの兄)、エルヴィン・シュレーディンガー、そして若きヨシフ・ジュガシビリ(スターリン)の伝記を読んで、ようやく吹っ切れた気がしました。

    第2巻を全面的に書き直し、構成を大幅に変えて、ひとまず上梓することにしました。鳥居民の『昭和二十年』のようにあまりお待たせしないよう、続刊の推敲にも意を注ぎますので、ご容赦を。出版取次を通さないため、書店にはほとんど置かない予定です。アマゾンなどのウェブサイトか、オンブック社のサイトにアクセスして、直接お求めください(予約受付中)。

    どんな本かといわれると、要約が難しいのですが、カバーの裏に添えた登場人物リストと、オンブック社から求められた梗概を、自薦文の代わりに掲載します。

  • 2009年4月 7日FACTA 対 経営共創基盤 (5)「最高顧問」中国人に関する回答

    いよいよ、FACTAが3月13日付で経営共創基盤から得た回答状の本体部分である。この謎の中国人の“素行”については、FACTA4月号(3月20日発売)の「冨山和彦の裏に『怪中国人』」で詳報してあり、そこに回答状の骨子も掲載されている。この回答状の意義は、経営共創基盤が社員ですらその実態をよく知らない中国人、関継軍氏と顧問契約を交わしていることを認めた点にあると思う。その率直さを評価するとともに、無防備というかノーチェックには呆れました。

    回答状は6項目の質問に対するQ&A方式となっています。

  • 2009年4月 6日FACTA 対 経営共創基盤 (4)質問状に関する経営共創基盤の回答

    さあ、いよいよ本番の経営共創基盤の回答である。冨山氏本人からの条件に合意したので、回答も見せてもらえることになった。だが、回答の前に長文がついている。これはFACTAの報道に対する事実上の抗議文だった。経営共創基盤がFACTA記事のどこを「事実無根」としているか、公正を期してここに公開しよう。

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    前略
    2009年3月9日付にて弊社宛お送りいただきました「パシフィック・ホールディングスに関する質問状」に関しまして、下記のとおり回答申し上げます。

    回答の前提として、コンサルティング会社としてクライアント・案件に関わることについましては、業務上の守秘義務に関わることであり回答できないことをご了承ください。従いまして、回答については弊社に関わる部分についてのみとさせて頂きたく存じます。

  • 2009年4月 3日FACTA 対 経営共創基盤 (3)編集長の見解

    FACTA4月号の記事「冨山和彦の裏に『怪中国人』」の取材過程で、経営共創基盤に発した質問状に対する回答の条件として、冨山氏から手紙をいただいた。これは本人から直接手交されたわけではなく、同社の広報代理人と会った際に見せられたものである。

    FACTA編集長として、その場で書簡の大原則に同意するかどうかの返答を迫られた。結論からすれば、この原則に同意した。それは口頭で述べたから、冨山氏には間接的に伝わったはずである。このブログで改めて、編集長の立場を公にしよう。手紙をお寄せいただいた冨山氏にも、それが礼儀だと信じるからである。

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  • 2009年4月 2日FACTA 対 経営共創基盤 (2)冨山CEOからの手紙

    前回掲載した質問状に対する回答期限の3月13日、経営共創基盤の冨山和彦・代表取締役から、回答の条件として以下の書簡を読み、その条件を応諾するなら、正式回答するとの返答があった。

    その手紙は以下のような内容である。

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    拝啓 早春の候、貴社ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。

    さて、貴誌から先日「パシフィック・ホールディングスに関する質問状」を頂戴いたしました。貴誌には、過去においていくつかの重大な事実誤認を含む記事を掲載された経緯もあり、今回のご質問については、以下の点に関する編集長の阿部様ご自身にご確認、ご了解をいただいた上でご回答申し上げたいと存じます。

  • 2009年4月 1日FACTA 対 経営共創基盤 (1)FACTAの質問状

    FACTA4月号(3月20日刊行)は、パシフィックホールディングスの会社更生法申請に関連し、同社に助言していた経営共創基盤について、「冨山和彦の裏に『怪中国人』」と題する調査報道記事を掲載した。この取材過程で、これまで沈黙を守ってきた経営共創基盤に対し質問状を送った。その回答の要約は誌面に掲載したが、紙数の関係上、全文を掲載できなかったので、そのやりとりも含めてこのブログに掲載し、公正を期すこととしたい。

    まずFACTAの質問状から――。日付でお分かりの通り、送ったのはパシフィックHDが会社更生法を適用する1日前である。

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