阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2008年3月13日 「石原慎太郎銀行」の深き闇――1年前のFACTA第一報で明らか

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新東京銀行をめぐる東京都の石原慎太郎・知事の「責任転嫁」は目を覆わせる。3月10日に新銀行東京の津島隆一代表が発表した調査報告書は、いっさい都も知事も責任をとらないという姿勢で一貫し、トヨタ自動車から三顧の礼で迎えた仁司泰正・元代表取締役に全責任を転嫁する内容である。新銀行東京が不良債権の山に呑まれ、破綻の危険水域に達していたことを、経営陣が都に隠していたかのような強弁に終始している。

明らかに事実と違う。月刊誌FACTAは07年1月20日発売号で、どこよりも早く「重篤『慎太郎銀行』の深き闇」を報じて警鐘を鳴らした。そこでは06年12月に金融庁が最後通牒を突きつけていたスクープが書かれている。それを都や知事が知らなかったとは言わせない。少なくともこの記事は、同年4月の都知事選を控えたスキャンダルとして石原陣営を緊張させたのだ。彼は3選のためにひたすら「臭いものにフタ」で済ませた。

当時、FACTAは都の産業労働局金融部から「新銀行東京は都の機関銀行ではありませんから、大株主ではあっても経営の細部に口出しできませんから」という逃げ口上を聞かされた。知事キモ入りの銀行だから、どんなひどい状態でも見てみぬふり、という木っ端役人根性を痛感した。FACTAが当時、どこまで深く抉っていたかは、記事をフリー公開するのでご覧いただきたい。

現在の新聞などの報道の原点はここにある。都知事選前に報道を手加減し、新銀行東京の惨状を追及しなかった都庁クラブ詰め記者は恥を知るべきである。日ごろ大政翼賛型の記事しか書いていないから、責任回避に汲々とするだけの知事に恫喝されるや、呑まれて怯んでしまうのだ。それを悔いるなら、今からでも知事の首を取る覚悟で臨むべし。都議会で400億円追加増資に賛成するような都議は、次期都議選で落選させなければならない。

石原ファミリーの選挙区(石原伸晃の東京8区、石原宏高の東京3区)で、新銀行東京に対する情実融資例が一つでもあれば、知事は一発辞任である。無理な融資に奔走させられたあげく、辞めさせられて恨み骨髄の行員諸君に訴えたい。

ファミリー後援者で新銀行東京の融資を受けた例をご存知でしたらぜひご一報を。FACTAが徹底的に取材し追い詰めます。いや、それ自体、捜査対象になることは間違いない。情実が証明できれば、知事は土下座では済まない。

都と石原知事は旧経営陣の刑事・民事責任を追及するつもりらしいから、旧経営陣と責任のなすりつけあいが起きるだろう。皮肉なことに東京地検特捜部長や名古屋高検検事長を歴任した弁護士の石川達紘氏までいる。仁司氏は石原知事が一橋大学人脈をたどってトヨタの奥田碩・経団連会長(当時)に頼んだものだ。検察人脈やトヨタにまで責任を転嫁する都と石原知事は、猛烈なリアクションに見舞われるだろう。

FACTA 2007年2月号「重篤『慎太郎銀行』の深き闇」