阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2008年9月24日一足早く麻生太郎首相にぶら下がり取材

    私は政治記者だったことはないから、番記者の経験もなければ、国会の廊下トンビをやったこともない。公用車に同乗して話を聞いた経験はあるものの、ぶら下がり取材を体験していない。で、総理官邸で日に2回行われる番記者のぶら下がり取材をテレビで見ていて、どうしてああも下手くそなのか、不思議でならなかった。

    短時間なのだから、質問も簡にして要を得なければならないのに、紋切り型の歯がゆい質問ばかり。スポーツ中継の押しつけインタビューと代わらない。福田康夫・前総理最後のぶら下がり会見でも、意味不明の質問を浴びせて、去りゆく総理をむっとさせていた。ワンフレーズを求めようとする余り、記者が痴呆になってはしようがない。

    そこで、隗より始めよで、自分でぶら下がり取材を試みた。単独取材を許さない新聞の“カルテル組織”内閣記者会から雑誌は排除されているから、本来ならできない。が、間隙を縫う「突貫取材」は、「不肖宮嶋」カメラマンにも負けないつもりだ。一足先に、FACTA版ぶら下がり取材をすることで、嫉妬深い新聞の鼻をあかそう。

  • 2008年9月22日河野洋平の“後継者”牧島かれんとは――地盤継承の新しいカタチ

    政治ほどリスキーな商売はない。何かを実現するため議員バッジを胸につけようとする方々には「なんと奇特な」と賛嘆するほかないとはいえ、興味津々である。非政治的な人間と自認しているから、自分で政治に身を投じようと考えたことは一度もない。だが、目前に迫った総選挙で身近な人が何人か立候補に名乗りを挙げた。

    そのひとりが、引退を表明した衆議院議長、河野洋平氏から後継を指名された早稲田大学公共政策研究所客員講師、牧島かれん(可憐)さんである。彼女がアメリカ留学から帰国して、大学で助手や講師をつとめ出して以来、ご縁がある。国際基督教大学(ICU)大学院行政学研究科で今春博士号を取得されたが、それまでのあいだ、FACTAの創刊準備やトークショー「FACTAフォーラム」などでお手伝いしてもらった。

    彼女が政治家志望であることは聞き知っていた。それでも、血縁でもなく地盤でもない神奈川17区で、河野議長がいきなり後継者に彼女(横須賀出身)を指名するとは、後援会も目を丸くしたろうが、私にもちょっとした驚きだった。「河野王国」と言われる磐石の地盤が小選挙区で二分され、議長の長男、河野太郎氏がすでに神奈川15区の地盤を継いでいるという事情があったにせよ、「地バン看バンカバン」の3バンが不可欠とされた従来の継承とは別の、新しいモデルが出現したかに見える。

  • 2008年9月19日10月号の編集後記

    FACTA最新号(10月号、9月20日発行)の編集後記を掲載します。フリー・コンテンツの公開は26日からです。

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    ロードムービーが好きだ。荒寥とした赤茶けた大地をどこまでも走る無人の道。錆びた車のサイドミラーに蒼穹と土埃が映っている風景が、なぜか無性に懐かしい。アメリカの大平原を独りで疾走した経験なんてないのに、不思議とデジャヴ(既視感)に襲われる。『イージー・ライダー』『ペーパー・ムーン』『パリ、テキサス』『アメリカ、家族のいる風景』『イントゥ・ザ・ワイルド』……挙げていけばきりがない。

  • 2008年9月16日ブログ再開 オーマイガッ!

    最悪のタイミングである。15日のリーマンの連邦破産法申請は、FACTAにとっては締め切り後から印刷、発送までの「空白」期間に相当し、手も足も出ない。リーマン社員もウォール街もそうだろうが、身売りが成功するかどうかは直前まで読めなかった。次号は到底間に合わないと思い、次々号へ見送りと泣く泣く決めたのが、裏目に出たようだ。

    それでも直前、頼みのバンカメがメリル買収に急転、見捨てられたリーマンが白旗、という急展開には、やはり歯ぎしりである。3月にベアー・スターンズが破綻して、JPモルガンに吸収合併された際の分析で、資産の傷み具合ではリーマンとベアーにほとんど差がないことを指摘し、前号では最大手メリルも危ないことを指摘してはいたが、正直、崩壊がこれほど早いとは想定外だった(表は2008年5月号「信用収縮の次は『ドル危機』」に掲載した米大手金融機関保有有価証券の“毀損”状況)。