阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2007年12月27日望月迪洋著「コメは政なれど…」のススメ

    新潟日報の編集委員だった望月さんのこの本は、後書きにもあるように私も多少の助言をし、タイトルの相談にも応じた経緯がある。出版前にざっと斜め読みしたし、登場する政治家や官僚の一部は私の取材先でもあったから、書評するなら身びいきと思われないものを書こうと思っていた。歳末の忙しさに紛れて時間がかかったが、この連休でようやく居住まいを正して精読する機会を得た。

    副題にあるように1980年代半ばから90年代半ばにかけてのウルグアイ・ラウンドで、コメの市場開放を迫られた日本が、「一粒も外国米を入れない」という強硬な国会決議を背に徹底抗戦、ついに米欧の妥協で梯子を外されていく経緯を、海部政権の農相と宮沢政権の官房副長官を歴任した佐渡出身の政治家、近藤元次を通して追ったものだ。

  • 2007年12月26日「ネット生保」トーク3――質疑応答

    トークイベントでは最後に質疑応答を行いました。会場からは出口治明ネットライフ企画社長にビジネス・モデルに関する質問がいくつも投げかけられました。ここでは、その一部をご紹介します(前回の記事はこちら)。

  • 2007年12月25日「ネット生保」トーク2――大手生保がネットに踏み切れないワケ

    トークイベントの続きをお送りします(前回の記事はこちら)。歳末の取材やテレビ出演などが立て込んで、掲載が遅れたことをお詫びします。ディスカッションの参加者は、出口治明ネットライフ企画社長、大坪勇二ホロスプランニング東京オフィス長、そして司会はFACTA編集長、阿部重夫がつとめました。

  • 2007年12月20日「ネット生保」トーク1――見失っている「共助」の原点

    12月3日、東京・秋葉原のUDXで開いたFACTAフォーラムのトークイベント「生命保険はネットで買えるか」は、先着130人で募集したところ満席になりました。会場で記入していただいたアンケートでは、イベントに「とても満足」「まあ満足」とお答えいただいた方があわせて86%に達し、テーマもトークの中身も好結果を得ることができました。

    当日、会場にいらっしゃれなかった方々からも「トークの中身を知りたい」とのご希望がありましたので、このウェブサイトで要約をご紹介いたします。会場ではネットライフ企画の副社長、岩瀬大輔氏のプレゼンテーションに続きパネルディスカッションを行いましたが、以下のようにディスカッション部分を公開します。

  • 2007年12月19日1月号の編集後記

    FACTA最新号(1月号、12月20日発行)の編集後記を掲載します。冒頭の「お隣の読者欄…」は、本誌では編集後記と読者欄が隣り合わせのため。フリー・コンテンツの公開は25日からです。お楽しみに。

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    お隣の読者欄におっかないことが書いてある。この編集後記をそんなにまじまじと見つめられるとは、冷や汗たらり。全原稿を出稿し終えてから後記を書くから、いつも頭は空っぽの出し殻なのだ。この空虚は「無から(ex nihilo)の出発」を強いる。ボードレールが『悪の華』の詩「旅」で歌ったように「本当の旅人とは、ただ出発のために出発する人々だけだ」とぶつぶつ言いながら。

  • 2007年12月13日記者のリテラシー

    日経社会部時代の先輩から電話がかかってきた。悪い予感がしたが、案の定、テレビを見たという。先週末の12月7日(金)、BS11デジタル(日本BS放送)の報道番組「INsideOUT」に出て、しばらく落ち込んでいる。ブログに書かなかったのは、編集作業に入ってとても書けない状態だったからだが、内心は思い出すのが怖かったこともある。

    先輩には予防線を張った。「いやあ、見ないで。トチってばかりだから」。

    「ま、君は前から滑舌系じゃないからね」と言われた。だろうなあ。

  • 2007年12月 6日何を今さらカラマーゾフ

    世界文学全集がはやらなくなって久しい。なに、どうせ怠惰になっただけである。もう舶来物は信奉しない、と大見得を切るならいいが、情けなや、相変わらずハリウッド拝跪ではないか。ミステリーはやっぱり洋物と相場が決まっている。書斎のスノビズムに縁なき衆生は、薄型テレビと携帯の液晶画面に涎を垂らすだけになっただけのことだ。

    出版業界はいにしえの「円本」の夢が忘れられない。売れなくなった翻訳の在庫を抱えて、ひとひねり工夫を加え、古典新訳文庫なるシリーズを売り出した。店ざらしの品の埃を払うばかりでは芸がないので、ちょいと甘く味付けして包装を替え、新品同然と売り出したにひとしい。

    そうして出た亀山郁夫訳の「カラマーゾフの兄弟」が飛ぶような売れゆきだという。ああ、まことに慶賀に耐えない。光文社の努力がようやく実って、隠れた需要を掘り当てたというべきだろう。だが、毒舌家の山本夏彦が生きていたら、「何を今さら」と嗤ったに違いない。

  • 2007年12月 5日BSデジタルの報道番組キャスター

    また冷や汗ものである。10、11月のラジオ出演に続き、12月はテレビに出演する。現役編集長がのこのこ画面に出てきていいのかとは思うが、雑誌の発行人として広告塔もつとめねばならず、えいやっと決断した。

    先月まではTBSラジオの長寿番組「大沢悠里のゆうゆうワイド」だったが、今度は開局したばかりのBSデジタル放送「BS11」である。三井物産やビックカメラがスポンサー(訂正:2007.12.11)ビックカメラや毎日新聞がスポンサーになって12月1日から放送が始まった。平日は毎晩10時から11時の時間帯に、報道番組「インサイド・アウト」が放映される。金曜日のキャスターを頼まれ、今週7日から恥ずかしながらテレビカメラの前に立つ。

  • 2007年12月 4日トークイベントのお礼

    12月3日夜、東京・秋葉原のUDXカンファレンスで、FACTAフォーラムの第2回トークイベントを開きました。会場は満席の盛況でした。かなり難しいテーマと思っていたのですが、保険業界のみならず幅広い金融関係者の方々にお聴きいただき、主催者としてお礼を申し上げます。

    テーマは「生命保険はネットで買えるか」でした。自動車保険など損害保険商品はネットで売られていますが、生保はこれからなので、既存の生保業界にネット生保がどんなインパクトを与えるかに関心が集まり、パネルディスカッションやその後のQ&Aでも熱い議論になりました。