阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2007年6月28日Jパワー対英ファンドTCI(4)――肩透かしの株主総会

    このサイトで3日間、Jパワーのバーチャル株主総会を連載したが、27日にはリアルな株主総会が開かれた。2時間余の総会で、注目の英国ヘッジファンド「ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド」(TCI)の増配提案は否決され、会社提案どおりとなった。

    総会後に会見した中垣社長によれば、会社側提案に賛成したのは「60%台半ば」とのこと。細かい数字は明かさなかった。「TCI提案は30%台の支持を得たということか」との質問に対し、「大方の推測とそう大きく違っていない」という微妙な言い方だったから、おおむね2対1で勝ったということなのだろう。

    肩透かしだったのはTCI。事前に盛んにメディアに露出、株主にも提案を説明する手紙を送ったのに、総会ではなぜか「提案の趣旨説明や質疑に応じることは差し控えさえていただきたい」と事前に申し入れ、株主やメディアが期待していた論戦は行われなかったのである。

    がっかりである。アクティヴィスト(モノ言う株主)がもの申さないのは寂しい。いわばJパワーの独り相撲で、ちょっと欠席裁判的になるのは面白くない。

  • 2007年6月27日Jパワー対英ファンドTCI(3)――会社側の反論

    27日はJパワーの株主総会である。午前10時から東京プリンスホテルで開かれる予定だ。バーチャル総会はこれで最終回とするが、増配要求を出している筆頭株主TCIのアジア代表、ジョン・ホー氏のインタビューを受ける形で、Jパワー側には質問状を出しており、最新号のFACTAの記事に使った。

    しかし誌面の制約から全問を掲載できなかったので、このサイトでJパワーの反論として掲載しよう。ただし、ここに載せた回答は要約であことをお断りしておく。要約の文責はFACTAが負う。

    Jパワーの反論は以下の通り。

  • 2007年6月26日Jパワー対英ファンドTCI(2)――経営への圧力メカニズム

    電源開発(Jパワー)に27日増配提案する英国ファンドTCI(ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド)のアジア代表、ジョン・ホー氏のインタビューの続きである。

    ちなみにインタビューはホテル・オークラのオーキッド・ルームで行われた。

  • 2007年6月25日Jパワー対英ファンドTCI(1)――バーチャル株主総会

    今週は株主総会シーズン。見たことがありますか。シャンシャン総会が主流の日本では、ま、事前のシナリオどおりであまり面白くない。しかし今年は外国人株主の多くがモノいう株主(アクティビスト)となって盛り上がりそうだ。でも、残念ながら、株主でないと会場には入れない。そこでこのサイトでバーチャルな論戦をお見せしよう。

    バーチャルといっても現実の企業、現実の大株主である。委任状争奪戦(プロキシーファイト)をしているわけではないというが、電源開発(Jパワー)経営陣が戦々兢々の英国ヘッジファンドである。すでにFACTA本誌で報じたように、9・9%の株式を保有する英国の「ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド」(TCI)が、年130円への増配(会社提案は60円)を要求する株主提案を提出しており、その可否が注目されている。

    FACTA7月号では「電源開発に挑む英ファンド株主の『倫理』」と題する記事で、TCIのアジア代表ジョン・ホー氏のインタビュー抜粋と、電源開発側の反論を掲載している。しかし誌面の制約から掲載できない部分も多かった。

    そこで株主総会直前の今、ウェブサイトを使って、その詳細版を掲載しよう。現実の定例総会は6月27日午前10時から。株主の方々も場外の野次馬も、このサイトの仮想論戦なら誰でも傍聴できる。さあ、バーチャル総会の試みへどうぞ。

  • 2007年6月24日対談:萩原雅之ネットレイティングス社長(下)デジタル時代に割を食った世代

    阿部  社会的に帰結することで、もうひとつ心配なのが階層の固定化です。何だかんだと言っても、ホワイトカラーに就くにはエクセルやパワーポイントが使えるかどうかなど、PCスキルは最低限の職能です。アルバイトをするにしても、PCを使えるかどうかで時給は全然違ってきます。

    思春期を迎えてコミュニケーション欲求が高まると、韓国などの携帯からのネット利用が活発でない国では、PCで一生懸命やるわけです。ところが、日本ではかなりの程度が携帯で済んでしまうのでPCまでいかない。じゃあ、いつPCスキルを身につけるのかというと、日本の大学進学率は5割位しかありませんから、高校を卒業してそのまま職に就いた場合、学ぶ機会はほどんどありません。そのうえ、最近ではブルーカラーでもPCを使うことを求められ始めていますから、そこでも新たな格差が生まれる可能性がある。

  • 2007年6月23日対談:萩原雅之ネットレイティングス社長(中)携帯文化が社会に及ぼす影響

    阿部 たとえば、ある携帯専用のストリーミング動画サイトのユーザ属性を見ると、100万人以上いるユーザのうち、6~7割がPCを所有していないという結果が出ています。ストリーミング動画を見るサイトですから、事実上、ユーザは全員がパケット定額制です。FOMAのパケット定額制になると4000円を超えるため、これは一般的な携帯ユーザのネット支出の倍近くになります。要するに、パケット代の支出が高いユーザーは、結果的にPC所有率が低いという傾向を暗示しているように見えます。こうした相関関係については、まだあまり明確な統計は存在していませんが、最近ではこうした、傍証となるデータが少しづつ出始めているようです。

  • 2007年6月22日対談:萩原雅之ネットレイティングス社長(上)20代はPCを使わない?

    今回は2007年3月号に掲載した「パソコン見放す20代『下流』携帯族」の続編として、記事中で引用した「衝撃的」なデータの調査元であるネットレイディングスの萩原雅之社長との対談を掲載します。

    この記事で論じたPCユーザーと携帯ユーザーの「デバイド」問題は、ネットで非常に大きな議論を巻き起こしました。最近、入社してくる新人にその傾向が強いという感想もあれば、PC音痴より携帯音痴のほうがヤバイという意見もあり、ブロゴスフィアでの議論も尽きない。

    高機能な携帯電話が優れたプロダクトであることは承知だが、従来のPCユーザーと携帯しか使わないユーザーの間に断層は生じていまいか。携帯の制限された世界では、本来のインターネットが持つ知から知へ繋がるハイパーリンクの恩恵をユーザーは享受しきれていないのではないか。そこに「格差社会」が見え隠れしていないか――。

    ネット視聴率調査の第一人者として知られる萩原氏はこの問題をどう見ているのか。率直に語り合った。

  • 2007年6月19日7月号の編集後記

    明日の発売日に先んじて、FACTA最新号(7月号、6月20日発行)の編集後記をご紹介します。

    先日、このブログで告知したとおり、今号には「ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド」のアジア部門(香港)を代表するジョン・ホー(何志安)氏のインタビューを掲載しました。編集後記と併せてご覧ください。

  • 2007年6月11日安倍晋三・折口雅博のツーショット

    編集作業がほぼ終わりなのでブログを再開します。

    さすがにコムスンは次号編集に間に合わなかった。折口雅博会長の目を赤くした顔が、こう毎日テレビに露出していては、月刊誌という形態では追いきれない。いま無理をしても1週間後には、コムスンの売却とか、事件化とかで状況が変わってしまいかねないからだ。

    罪滅ぼしに「FACTAブックマーク」には入れたが、コムスンのサイトにまだ堂々と載っている安倍晋三首相と折口氏のツーショットをご紹介しよう(2007.06.11 19:10 追記:元ページが消されてしまったのでGoogleに残っているキャッシュのアドレスを掲載します)。安倍氏が官房副長官時代のものだが、佐藤正忠氏の司会で長々と対談、介護保険実現にいかに尽力したかを得々と語っておられる。一見の価値があると思うので、スクリーンショット付でを紹介しよう。

  • 2007年6月 1日シティバンク、7月に東証上場へ 預託証券でなく株式公開の公算

    本日午前11時にFACTAオンラインのメルマガ会員に発信し、その後、ポータルサイト「goo」に特報として掲載されたスクープ記事をフリー公開します。

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    日本国内25店舗を持つシティバンク(在日代表、ダグラス・ピーターセン)は、7月にも東京証券取引所に上場する。当初、予想されていた日本預託証券(JDR)ではなく株式公開となる見込み。シティバンクは米国最大手金融機関シティグループの銀行部門だが、日本では年内に5店舗を開店、数年で店舗数を倍増させる計画で、上場で調達した資金はこの対日攻勢にあてる予定である。米国企業の東証上場は6年ぶりだ。

    シティグループは4月27日に日興コーディアル証券へのTOB(株式公開買い付け)を成功させ、9200億円で61%強の株式を取得したばかり。会計疑惑で上場廃止の瀬戸際に立った日興の危機を逆手にとって、証券ではリテール(日興コーディアル)とホールセール(日興シティ)の両輪を手に入れたが、もう一つの柱である銀行部門でも東証上場を機に攻勢をかけ、1500兆円の個人金融資産を持つ日本市場で地歩を固めようとしている。

  • 2007年6月 1日新しい実験「寝耳に水」方式

    今度の実験はひとことで言えば「予告なきスクープ」。今まではこのブログで予告し、翌日に購読者のメルマガ会員に限定してスクープの中身を報じ、他メディアが追いかけたらフリー公開にしてきました。今度は「寝耳に水」の新方式を試みます。

    メルマガ会員にまずスクープをお届けし、数時間後にこのFACTAのサイトだけでなく、ポータルサイトでフリー公開します。他メディアが、ネットの追っかけを余儀なくされる環境をつくってみようと思います。「安倍訪中」などのスクープでは抜かれたことを糊塗する傾向が見られたので、今度はポータルサイトという反響板を使って、この壁をぶち破ろうというものです。