阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2006年8月25日 [スクープ]使用前と使用後――スクープの知的所有権

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罪つくりだったかもしれない。22日にメルマガで流した予告スクープ「東証にみずほ証券が400億円請求」は、いろいろハレーションを呼び起こしたらしい。各紙の兜クラブ(東証記者クラブ)担当のなかには、部長やデスクにド叱られた記者もいたという。

東証常駐でもない市井の一雑誌に、むざむざ抜かれるとは何をしているのか! てなことだろう。お気の毒に。こちらもはしゃがずに、謙虚にいきましょう。

しかし叱った部長やデスクたちに申し上げたい。追いかけたどの新聞も、第一報がどこで報ぜられたかを書いていない。抜かれた記事の恥をさらしたくないのは分かるけれど、これはフェアとはいえない。

巧名にこだわって、いちゃもんをつけているのではない。「スクープに知的所有権がない」ことを示したにひとしいからだ。なぜ新聞はこういう陋習を残しているのか。

たとえば、この画面に「使用前」としてFACTAメルマガ臨時版の画像と、「使用後」としてそれを追いかけた各紙の画像を掲載する。本当は各紙の紙面には著作権があり、見出しといえども画像で載せれば、新聞社に使用の許諾を求めなければならない。

でも、あえて許諾を問わなかった。もし抗議が来たら、やんわりと申し上げるつもりでいる。記事の内容はFACTAメルマガが発端であり、その知的所有権を頭から無視しているのに、紙面の映像の著作権だけを主張できますか、と。

スクープとは常に罪つくりなのだ。スクープの知的所有権さえも尊重できないメディアは、いずれ内側から自壊していくだろう。

今回試みたFACTAメルマガ臨時版は、「共同通信のようにスクープを配信した」と誰かに言われた。いえいえ、その気はない。通信社や新聞社の「追っかけ」メディアに撒き餌する役目なぞ、こちらはご免だからだ。