阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2006年8月30日誰が新聞を殺したか2――New Assignment.Net

    今週はじめから最新号の一部記事の無料公開が始まっています。すでに月曜に「イオンがローソンを買収か」という記事、火曜に「産経がセレブな紙媒体創刊へ」という記事を公開したが、本日(水曜)は「ケータイクレジットに致命的な欠陥」の長尺記事です。

    これは業界内外で「やっぱり」「よくぞ指摘してくれました」と好評だった記事で、便利さの裏に潜む問題をえぐっていますので必見のお勧め記事です。

  • 2006年8月28日誰が駒鳥を殺した?――新聞没落論

    最新号のThe Economistのカバーストーリーが「誰が新聞を殺したか」(Who killed the Newspaper?)。マザーグースを知る人ならぴんとくる「誰が駒鳥を殺したか」(Who killed cock robin?)のもじりである。

    Who killed Cock Robin?  (誰が駒鳥 殺したの?)

    I, said the Sparrow,   (それは私、と雀がいった)

    With my bow and arrow, (私の弓と矢で)

    I killed Cock Robin.    (私が駒鳥を殺した)

  • 2006年8月25日使用前と使用後――スクープの知的所有権

    罪つくりだったかもしれない。22日にメルマガで流した予告スクープ「東証にみずほ証券が400億円請求」は、いろいろハレーションを呼び起こしたらしい。各紙の兜クラブ(東証記者クラブ)担当のなかには、部長やデスクにド叱られた記者もいたという。

    東証常駐でもない市井の一雑誌に、むざむざ抜かれるとは何をしているのか! てなことだろう。お気の毒に。こちらもはしゃがずに、謙虚にいきましょう。

  • 2006年8月23日勝利宣言――予告スクープを各紙追っかけ

    21日にこのブログで予告したスクープのメルマガ発信は、誰が見ても「圧勝」だったと思う。

    22日午前6時を期して流したのは「東京証券取引所が絶体絶命! みずほ証券が400億支払い請求」のニュースである。兜クラブに所属する全新聞、全テレビ、全速報媒体の記者の皆さんに対し、勝利宣言したい。

    今回は実験として、FACTAご購読者(eメールアドレスをお教えいただいた方)限定のメルマガ「FACTA online」に掲載して、臨時版として発信した。アクセス自由のこのサイトには予告のブログ記事しか載せなかったが、これはご購読者限定のスクープ発信がどれくらいのインパクトを持つか、試させていただいたのである。

  • 2006年8月21日予告スクープ――メルマガで22日朝発信

    FACTAは8月22日午前6時を期して、本誌に載っていないスクープを報道します。

    FACTAはこれまで、このブログや本誌誌面で幾多のスクープを報じてきましたが、今回はメールマガジン「FACTAオンライン」を使って、本誌ご購読者に限定してお伝えする実験を試みます。ブログや記事の無料公開(フリーコンテンツ)はアクセスを待つ受身形ですが、これはFACTAから能動的に発信するものです。

  • 2006年8月16日手嶋・阿部緊急対談――英国テロ未遂と日本3

    英国のテロ未遂をめぐる手嶋龍一氏との緊急対談の最終回を掲載しよう。

    夏休みのピークだから、空港で立ち往生した日本人観光客がテレビカメラでとらえられていた。淡々としている。「かえって安全になる」と空港での長時間チェックインも我慢している。不便にも従順に耐える日本人らしい。

    が、彼らに当事者意識は薄い。のほほんとしているが、ヒースローとアメリカを結ぶ大西洋便が厳重警戒でテロがしにくいとなったら、テロ犯はどうするか。警備の薄いところ、しかもテロの大義名分の立つところを狙うのが道理だろう。ブッシュ寄りどころか言いなりで、国会で無茶苦茶な答弁をしてイラクに派兵したものの、現地では内弁慶でひたすら安心立命に終始し、一兵も減ずることなく帰還させた不思議な国があった。

    その首相はメンフィスでプレスリーの物まねをしておどけるヒョウキン族。しかも大国の割にインテリジェンスはお粗末で、テロに対するガードは薄い。あなたがアル・カイダだったらどうしますか?

  • 2006年8月15日手嶋・阿部緊急対談――英国テロ未遂と外交2

    英国のテロ未遂をめぐる手嶋龍一氏との緊急対談の続きを掲載しよう。「ウルトラ・ダラー」の筆者と、「イラク建国」の筆者である小生が、90年代にロンドンで戦わしていたエスピオナージュ論の延長です。

    英国のタブロイド紙には、インテリジェンス機関に人脈を持つ専門記者がいて、こういう戦果を華やかに書き立てる。一流紙は自制するが、インテリジェ ンス機関も宣伝と割り切ってタブロイド紙にはあれこれ情報を流す。たとえは悪いが、日本の公安が毎年恒例のように流す北朝鮮やロシアへの禁輸品密輸摘発のリーク記事と同じだ――騒ぐまでもない。公安の存在意義を誇示するための花火のようなものだ。

    だが、それに目をくらまされてはならない。情報戦の勝利は、必ずしも外交を含めた安全保障戦略の勝利を意味しないからだ。今回もまた然り。テロを防いだインテリジェンスは鮮やかだが、テロの根を絶てていないからこそ、水際でかろうじて食い止めたに過ぎないとも言える。

  • 2006年8月14日手嶋・阿部緊急対談――英国テロ未遂と諜報1

    今月も手嶋龍一氏との緊急ミニ対談を載せます。もちろん、「8・11」を狙ってロンドン発アメリカ行きの旅客機7機を爆破するテロ計画が摘発されたからだ。またも締め切りの「エアポケット」である。くやしいけれど、お盆中に印刷する次号(9月号、8月20日刊行)の「FACTA」ではカバーできない。

    が、11日土曜、手嶋氏から電話がかかってきた。「また例の緊急対談をやりましょうか」。一も二もない。12日にテレビ朝日の「サンデー・プロジェクト」に出演したあと、彼がわが御茶ノ水のオフィスに来て、この対談を原稿にした。「早いねえ、あっという間にできちゃうねえ」と二人で感心した次第である。

    今回も手嶋氏のオフィシャルサイトとタイアップしているので、そちらも参照してください。

  • 2006年8月10日インタビュー:鳥越俊太郎氏(5)――100%真実な情報はない

    オーマイニュース」編集長、鳥越俊太郎氏とのインタビューの最終回。真実という山頂をめざして一歩一歩ちかづいていくという一方通行の従来型ジャーナリズムのほかに、双方向というインターネットの機能を生かして、地震のような誰もが遭遇する共通体験を塊として直接提示する可能性があるのではないか、という議論になった。

    プロのディレクターやデスクの選別フィルターを通さない「万人のための万人によるメディア」という可能性である。そこには刻々修正されていくフィードバックの可能性もある。そして最後に政治の武器となったときにどう使われるのか。

  • 2006年8月 9日インタビュー:鳥越俊太郎氏(4)――メディアが戦争を起こした

    オーマイニュース」編集長、鳥越俊太郎氏とのインタビューの第4回。話は佳境に入ってきて、メディアが「差別」のようなネガティブな感情を排除できるかどうか、という微妙な問題にさしかかった。鳥越氏はメディアがそれに加担し、煽れば戦争に突き進むことになるという強い危機感を持っている。それは彼の歴史観と言っていい。

    私個人はメディアには必然的にノイズが入り込むと考えていて、それを完全に浄化することはかえってメディアの生命を弱めるかもしれないと考えている。「必要悪」とまで居直る気はない。しかし、ノイズとの緊張感なしに商業メディアが成立するとも思えない。それを抱え込んで黙って悶々とするしかないというのが正直なところである。

  • 2006年8月 8日インタビュー:鳥越俊太郎氏(3)――日本は捨てたもんじゃない

    オーマイニュース」編集長、鳥越俊太郎氏のインタビューの続きである。「ブログサイトはゴミためか」という議論から、鳥越流の「責任ある参加」論に発展した。彼はしきりと、日本も捨てたもんじゃない、と希望を語る。

    そこで少しばかり、年齢差を感じた。私はまだ鳥越氏ほど楽観できない。「参加」と聞くと、1960年代末の「アンガージュマン」を思いだしてしまう。戦後民主主義に対して、いや、そこで語られた民主主義の理想像に対して、どうしても幻滅が消えない。かといって、反中国、反韓国、反米国にいきりたつ「ゴーマニズム」も、「諸君!」や「正論」や「Will」の論者たちにもシンパシーを感じない。

  • 2006年8月 7日インタビュー:鳥越俊太郎氏(2)――責任ある参加と「炎上」

    オーマイニュース」日本版の編集長、鳥越俊太郎氏とのインタビューの続編をお送りする。前回、鳥越氏は「21世紀メディアの可能性は双方向性にある」と言い切った。確かに上意下達という統治システムが、既存の一方通行メディアにも知らず知らず染みついているのかもしれない。文明論に入ると鳥越氏は能弁になった。

    さらに、鳥越氏がITmediaのインタビュー(7月10日掲載)で「2chはどちらかというと、ネガティブ情報の方が多い。人間の負の部分のはけ口だから、ゴミためとしてあっても仕方ない。オーマイニュースはゴミためでは困る」と語ったことにも触れることになった。ネット掲示板擁護派のコメントが「オーマイニュース」のサイトに殺到したからである。この事態そのものが、ネットとニュース・メディアの融合の難しさの象徴ではないかとも思えてくる。

  • 2006年8月 4日インタビュー:鳥越俊太郎氏(1)――オーマイニュースの勝算

    きょうから、「オーマイニュース」編集長に就任したジャーナリストの鳥越俊太郎氏とのインタビューを連載したい。「オーマイニュース」は韓国で生まれ、既存の新聞メディアの保守性を打破しようと、インターネットで市民記者を募集、専門記者と組み合わせるユニークな報道を定着させた。日本ではソフトバンクのバックアップのもとで、現在「開店準備中Blog」を開き、8月28日から正式にネット新聞としてオープンする。

    鳥越氏とは個人的な縁がある。忘れもしない、1976年2月5日に米国の上院外交委員会で明るみに出たロッキード事件の報道合戦である。初めて相まみえて以来、ちょうど30年になるのだ。毎日新聞の「記者の目」に若き彼の写真が載っていたし、当時の私の写真も手元にある。ありきたりだが、若かったなあ、と言うほかない。

  • 2006年8月 2日ときどき代行4――またもや、スクープの裏付け報道

    早くも5号目の編集期間が目前に迫り、「毎日更新」がウリの編集長ブログもいよいよ途切れがちになってきました。多忙のせいか、私もこの3~4カ月でかなり痩せたような気がします。ちょうど1年前の今日撮った、自分の写真があります。花火大会に向かう途中、地震で電車が止まってしまい、すごすごと帰宅した日のもので、丸くて血色の良い顔をした自分が写っています。あやうくビフォー・アフターのネタにするところでしたが、今回は別の話をご報告します。

    創刊号でファクタが報じた外務省の幹部人事をめぐるスクープに、ようやく各メディアの報道が追いついてきました。