阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2017年2月 1日「難破船」東芝から取引先は逃げ出すか

    船が沈没しかけると、船内のネズミたちが我先に逃げ出すという。信用調査会社が東芝の取引先の動向を調査し、近く発表するそうだが、その離散度合いを測る目安になる。

    東芝は原発部門ウエスチングハウスでの損失が5千億円を超すと言われるほど膨らみ、2年連続の巨額減損処理を迫られそうな形勢だ。このままでは3月期末に債務超過に陥ってしまうため資本調達が不可欠とみて、早くも切り売り先に関心が集まるが、これまでの優良な顧客や下請けが逃げずに東芝に付いてきてくれるかどうかも再建の成否を大きく左右する。

  • 2016年12月28日オリンパス報道、LAタイムズとシンクロ

    いかなる抗生物質も効かない超耐性菌の感染問題で追い詰められているオリンパスについて、月刊FACTA1月号に記事(「オリンパスは二度死ぬ」)を掲載した。

    オリンパス製の十二指腸内視鏡が構造上の問題を抱えており、欧米で超耐性菌に感染した患者が大量発生。30人余りの死者を出して患者が集団訴訟を起こす一方で、米国の連邦食品医薬品局(FDA)や司法省などはオリンパスの対応に不備があったとして、水面下で数千億円の罰金のほか、薬事審査の拒否や執行役員らの逮捕を通告してきた――という内容である。

  • 2016年12月 1日タカタ法的整理へ、「明日は我が身」の企業

    エアバッグのリコール問題に揺れるタカタが再建に向けて、一つのヤマ場を迎えようとしている。再建の方向性を年内にも打ち出したいとしていたタカタに対し、外部専門家委員会がスポンサー候補を海外勢に絞り込んでいるとの報道が相次ぐようになった。

  • 2016年10月30日三菱自動車の内部統制と益子社長の「二重の責任」

    株式投資の世界に身を置く者なら、企業の不正が明るみに出るたびに、誰でも「不正は数字だけにとどまらないのでは?」と考えたことがあるのではないか。

    日々の業務が適正に行われていなかったのに、内部統制報告書には"内部統制は有効"と記載されている。これは虚偽記載にあたらないのか? つまり金融商品取引法違反にならないのか?

    虚偽記載というと、有価証券報告書なら収益の水増しや総資産や純資産のかさ上げなど、数値に表れる"定量的な要因"が思い浮かぶだろう。東芝やオリンパスの粉飾決算はこれにあたる。

  • 2016年10月26日東京都「官製談合」疑惑追及3――醍醐本部長の危うい発言

    前回予告したように、都立広尾病院の改築移転問題が「政治案件」であることを示唆した醍醐勇司・元病院経営本部長(現水道局長)と佐々木病院長のやりとりを公開しよう。佐々木院長は、都側が移転が先にありきで何のビジョンもないことに危惧の念を伝えていた。醍醐氏はそれを説得しに来たのだが、要するに「考え直す余地はない。現場(どこ?)が待っているから移転しかない」という問答無用の姿勢である。相手がなかなか手ごわいと悟って、とうとう持ち出したのが政治家の名前だ。週刊朝日の取材には不適切だったと認めたようだが、あくまでも背景説明の個人的な話と逃げようとしている。だが、実際には「ここだけの話」と言いながら、村上都議だけではない政治的圧力がかかっていることをほのめかしている。これだけでも醍醐氏は、十分当局に聴取される資格がある。

  • 2016年10月25日東京都「官製談合」疑惑追及2――前広尾病院長はなぜ録音したか

    FACTAは都立広尾病院の前院長、佐々木勝氏の内部告発を精査し確証する形で、その裏に病院移転にとどまらない闇があることを、11月号の「東京都利権の『黒幕』五奉行」記事で暴いた。前回のブログでは、その佐々木氏が副知事から左遷を言い渡される生々しい場面を、肉声録音つきで公開した。録音はこれだけではない。佐々木氏にとって上司である都の病院経営本部幹部たちとの会話をなぜ録音したか――その事情を本人が本誌に語っている。それで見る限り、政治案件ちらつかせて役人が利権を強行する理不尽には、こうした録音と内部告発で対抗するしかなかったことがよく分かる。

  • 2016年10月24日東京都「官製談合」疑惑追及1――広尾病院長を左遷する「酷吏」副知事

    東京都知事に小池百合子氏が就任してから、本誌FACTAも10月号の「小池が暴く豊洲『官製談合』」、そして11月号の「東京都利権に『黒幕』五奉行」と過去の都政と利権の追及シリーズを連打してきました。本誌は豊洲や五輪施設など都の大型ハコモノ利権にはすべて「官製談合」の疑いが濃厚であり、そのブラックボックスを暴くことが必要だと考えています。雑誌では紙数に限りがあり、入手資料などもかいつまんでしか触れられないので、その補足資料としてこのブログを活用することにしました。

    本誌11月号では、都立広尾病院の移転改築を強行した都が、移転先にありきで何のビジョンもないことにあきれて抵抗した佐々木勝病院長が、今年2月29日に秋山俊行副理事(現在は都人材支援事業団理事長)と真田正義病院経営本部長から直々に左遷を言い渡されたと書いた。このときの録音を入手し、そのテープ起こしと肉声を公開する。

    さあ、耳を澄まして、政治の先兵となる役人の弁を聞こう。

  • 2016年10月19日電通の石井直社長はなぜ逃げ隠れするのか

    電通は自らPRを業としていながら、内部には報道管制を敷く矛盾した企業である。

    女子社員の過労自殺問題では、三田労働基準監督署に過労死として認定され、東京労働局が電通本社や名古屋、大阪、京都の3支社、さらに電通西日本など子会社5社にも労働基準法に基づく立ち入り検査(臨検監督)を行う事態に発展したにもかかわらず、石井直社長は会見もせず、社長名のコメントも発表していない。

  • 2016年10月 3日地方大学を蝕むパワハラと統治不全

    このところ象牙の塔で論文不正やパワハラといった不正やトラブルが絶えない。

    数年前、西日本のある国立大学の工学部で、ある教授に対する感情的な反発がきっかけになり、人事労務担当の理事と部局長が共謀し、教授による学生に対する嫌がらせがでっち上げられた。

  • 2016年9月20日オリンパスは反社の「共生者」か

    オリンパスはついに反社会的勢力の「共生者」に堕してしまったのか。

    本誌は最新号の記事『オリンパス「囚われの」従業員寮』で、中国・深圳にある同社の製造子会社(OSZ)が現地の反社会的勢力に食い込まれ、従業員寮を不法占拠されている疑惑を報じた。

    ところが、我々が徹底調査したうえで送った質問状に、オリンパス広報は口頭での「ゼロ回答」で応じた。「反社とのつながりがないならないと、はっきり回答したほうがよいのでは」と、ファクタが老婆心から念押ししたにもかかわらずだ。それが何を意味するか、広報はまったく理解していないらしい。