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2007年5月号の読みどころ

2007年04月20日発行

<資本市場の総本山> 任に耐えぬ斉藤「東証」社長
東京証券取引所の次期社長に産業再生機構(3月15日解散)の前社長、斉藤惇氏が内定しました。非公式の面接で「不適」とされていた斉藤氏が選ばれた今回の人事は「消去法」の産物。選出にあたって西室泰三東証社長(新会長)は蚊帳の外、最終判断を下したのは指名・報酬委員長の氏家純一・野村ホールディングス会長でしたが、斉藤東証に古巣の野村は冷ややかで、「体のいい厄介払い」とも見られています。

そんななか、当の斉藤氏は喜色満面で就任の準備に着手、生え抜きの守旧派を排除する意向を示しています。新たに結成する「チーム斉藤」のメンバーには、斉藤氏が再生機構で恩を受けた官僚たちの名が囁かれており、「大日本取引所構想」も霞が関利権の復活狙いが濃厚です。しかし東証にはみずほ証券との400億円訴訟など「内憂」が目白押しで、海外からはヘッジファンドに狙われる「外患」にも直面しています。国際派とは名ばかりの斉藤社長で、この難局乗り切りは無理と見えます。

ちなみに、東証を狙うハゲタカの名は英国のヘッジファンド「ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド」(TCI)。同ファンドについては、今号の「企業スキャン(「電源開発――外資が狙う電力の『下腹』」)」でも詳しく取り上げています。


<水脈ウォッチャー> サブプライム爆弾でドル安
低所得者向けの住宅ローン、「サブプライム・ローン」の大量焦げ付きで、米経済に危険信号が灯っています。米住宅金融大手、ニューセンチュリーが破綻へと転げ落ちていく過程は、危ない融資先にも構わず貸し込んだ日本のバブル末期とそっくり。住宅部門が米経済を牽引していることから見ても、経済全体に深刻なショックを与えかねません。

問題は、年間30社以上ともいわれる同業者の相次ぐ破綻もさることながら、せっせと資金を投入してリスキーな分野に手を染めてきた欧米の大手銀やファンドの存在です。不動産の相場が下落し、今月以降、続々到来するローンの金利上昇によって延滞率がますます膨張することが予測される中で、その余波は世界経済の減速という形でやって来るのではないでしょうか。IMFはドル安による貿易赤字の縮小というシナリオを予測しています。


続いて、各分野の目玉記事です。

<企業スキャン> 電源開発――外資が狙う電力の「下腹」
日本の「電力護送船団」を突破する格好の急所が、海外のファンドに狙われています。3月12日、電力卸最大手、電源開発(Jパワー)の本社に、大株主が株主総会に提出する大幅増配提案の文書が届きました。寝耳に水の中垣喜彦社長らを右往左往させた株主の名は、英国ロスチャイルド家4代目当主の信任も厚い凄腕ヘッジファンド、TCI代表のクリストファー・ホーン(40)氏。東証の頭上を舞うハゲタカ(今号の目玉記事、「任に耐えぬ斉藤「東証」社長」参照)がここにも姿を現したのです。外国人株主比率が5割目前で、黄金株もない電源開発はいうなれば落城寸前。日本上陸「未遂」に終わったエンロンに続く第2の「黒船」に、神風は吹くのでしょうか。


<中国次世代リーダー> 「ポスト胡」李克強の素顔
「ポスト胡錦涛」の最右翼、李克強・遼寧省党書記の意外な素顔が浮かび上がってきました。北京大学の同窓生で、現在、海外で活動する2人の民主化運動家、王軍涛と胡平との接点です。学生会で思想を語り合い、抜きん出た力を発揮したこの3人は、まったく違う人生を歩みながらも、それぞれ頭角を現す存在となりました。中国当局にマークされながら世界のメディアに中国の内幕情報を配信し続けてきた民主化運動家、盧四清氏は、この絆が中国の政治改革を大きく推進する可能性が高いと見ています。自身も天安門事件に参加し、香港に亡命して活動を続ける盧四清氏による特別寄稿です。


<厄介な米国世論> 「安倍初訪米」かくも重い試練
4月26、27日の初訪米が迫る中、安倍晋三首相は荷の重い試練を迎えます。米下院で対日非難決議案が出されて以来、米国世論の「ホット・ボタン・イシュー」とされる従軍慰安婦問題の火種が消えないからです。機会ある毎に安倍氏が述べ立てた強気の釈明を振り返ると、ナショナリズムの無邪気な発信が国際社会で引き起こす反応が予測できずに、揚げ足を取られる結果を招いていることがわかります。情緒に走って合理的な判断を下せない安倍政権のアキレス腱を鋭く分析します。


<TVとネットと靴> 「TBS第2株主」の不気味
ブランドのスニーカーなどの安売りで若者に人気の靴店「ABCマート」。黄色い看板で知られる超有名ブランドですが、その創業者である三木正浩氏(51)の人となりを知る人は、ほとんどいません。東証一部上場のセレモニーを東証史上ただ一人ドタキャンした経営者、というエピソードから受ける破天荒なイメージとは裏腹に、その人柄は、小さな頃から物静かで誰に対しても腰が低かったといいます。その彼が520億円を投じてTBS株の8.92%を握る第二位の株主に躍りでました。TBSも、筆頭株主の楽天も困惑するばかり。「純投資」ならどちらかに買い取りを迫るはずですが、音なしの構え。メディアで報じられない三木氏の不可解な人物像に迫ります。


4月号のフリー・コンテンツは以下の10本です。4月25日以降、順次アップしていきますので、ぜひお読みください。

【4月25日掲載】
「携帯3分15円」はドン・キホーテか
イー・モバイルの千本会長が、新規参入の余勢を駆って、ドコモなどに「激安」の卸売価格を要求したが。

「安倍訪米」の広報担当 世耕補佐官の「頭痛の種」
目立ちたがり屋の小池百合子補佐官対応に、尽きない世耕氏の悩み。

【4月26日掲載】
トヨタが子会社ファンドで ビッグスリー株を買い支え?
トヨタが、世界の自動車メーカーの銘柄を投資対象に新ファンドを検討中。

「ポスト安倍」の一角に 「改革加速議連」の棚橋議員
「安倍色」強め、今後の政局の「台風の目」となる可能性も。

【4月27日掲載】
英ロ「怪死3人組」にシベリアの接点
ポロニウム“毒殺”に絡む生物兵器人脈。ロシアの計画を知りすぎた人間の「口封じ」説。

二階国対委員長とも疎遠? 中川幹事長に深まる孤立
参院選惨敗を見越した二階氏にそろりと距離を置かれ、ダメージがますます深刻に。

【5月1日掲載】
核開発計画を丸裸にした イラン要人の「亡命作戦」
英国諜報機関MI6が主導した「冷戦終結以来、もっとも大胆な作戦」の驚くべき全貌。

遂に始動「小泉シンクタンク」
トヨタの奥田碩がカネ集めに奔走。「中東和平」で名を成し、ノーベル平和賞めざす?

【5月2日掲載】
英国の“原罪は”奴隷貿易 200年前の謝罪求められる
奴隷貿易廃止の記念式典に乱入、エリザベス女王に直接、抗議する黒人男性の映像が全国で生中継。

注目の郵貯・簡保機構に旧郵政官僚が天下り
郵政民営化の隠れ重要ポストに旧郵政のトップ経験者が就任し、ひとまず胸を撫で下ろす旧郵政官僚。