「ぱど買収」畑野幸治が経歴を偽り、「適時開示資料」を訂正

(2月28日17:00)

2020年3月号 EXPRESS [号外速報]

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「黒歴史」を消した? 畑野幸治氏(Facebookより)

本誌2月号で報じた実業家、畑野幸治氏(36)の経歴詐称疑惑を巡り、その後動きがあった。

同氏は昨年12月、ジャスダック上場の無料情報誌会社ぱどをRIZAPグループから約24億円で買収し、にわかに注目された人物。が、公開買付届出書や、ぱどの適時開示資料に記載された経歴には空白部分が多く、しかも明らかにされたわずかな役員歴は事実関係に反していた。

2011年8月にBuySell Technologies(昨年12月に東証マザーズ上場)の代表取締役に就任したとの記載がその部分。実際の就任時期は5年も後の16年10月だった。

本誌2月号発売後の1月24日、ぱどは株主に郵送済みだった臨時株主総会の招集通知に記載された畑野氏の経歴を訂正した。(下記資料参照)

同月29日午前開催の総会で畑野氏は取締役に選任される予定だった。その前の日、同月28日夕、ぱどは取締役の異動を知らせる昨年12月の適時開示リリースも訂正している(畑野氏個人が関東財務局に提出した公開買付届出書の訂正はなされていない)。(下記資料参照)

訂正後の経歴によれば、畑野氏は07年4月に「Micro Solutions」なる会社の代表取締役に就任、11年9月にBuy社の前身にあたる「アイ・マネジメント・ジャパン」に入社したとされる。Micro社については2月号ですでに指摘したところだが、同社は11年8月末に解散を決議している。畑野氏はその直後にアイ社に転じたということらしい。

しかし、これで空白部分がすべて埋められたかというと、そうではない。2月号で詳述したとおり、畑野氏は11年5月、自動車修理会社カーコンビニ倶楽部の取締役に就任したものの、わずか1カ月で解任されている。これについては訂正後の経歴でも省かれたままだ。

さらにアイ社入社後の一定期間についても謎が残る。同社は畑野氏の実父・友行氏が山一證券退社後の01年1月に人材紹介業を目的に設立したもの。ただ、11年には役員が次々と辞任、4月には取締役会・監査役会を廃止し、同年8月に役員は友行氏1人だけになっていた(その後、15年まで重任登記もされなかった)。業務縮小、ともすれば休眠化すら窺わせる事実だ。

というのもこの頃、友行氏は別のビジネスに没頭していた可能性が高い。同年1月、友行氏は同じ住所で「アドベンチャー・アンリミテッド」なる合同会社を設立。同年11月、同社は韓国の「クラウンホールディングス貸付」なる金融会社と提携、第2種金融商品取引業者としてそこへの融通資金を日本国内の一般投資家から集める投資ビジネスを開始している。

となると、畑野氏は実態が定かでないアイ社に入社して何をしていたのか。現在のBuy社は着物・宝飾品買い取り事業を主力とするが、同事業を始めたのはそもそも「ランド」なる別の会社で、13年3月頃のこと。仮にその時点から畑野氏が外部から買い取り事業に関わっていたとしても、アイ社入社からの1年半は空白のままだ。

消費者庁による行政処分後の15年4月頃、ランドは買い取り事業を、アイ社から社名を改めた「エース」に譲渡。畑野氏が引き継ぐ16年10月までの1年半、エース(=Buy社)の代表取締役を務めたのは実父・友行氏だった。しかし、前述のように、その頃の友行氏は投資ビジネスに軸足を移していたとみられ、とすれば、名義だけの名ばかりトップだったことになる。あまりにも不透明だ。

 取締役就任後の2月18日、畑野氏はぱどの会長となり、いよいよ経営支配を強めている。そんな中、畑野氏は1月28日、プライバシー保護を理由に本誌サイトにアップされた2月号記事の削除を求める仮処分を東京地裁に申し立てた(2月18日に一部記述について申し立てを相当とする決定が出ているが、表現の自由や記事の公益性を蔑ろにする誤った判断であり、本誌は保全異議を申し立てている)。

◆畑野氏が仮処分を申し立てた2月号の記事。一部が伏字になっています。

https://facta.co.jp/article/202002037.html

経歴詐称を行ったその非を脇に置いて、なおも過去に蓋をしようとするのは上場企業の支配株主兼取締役としてあるまじき愚挙。説明責任を果たすべきなのが畑野氏本人であることは言うまでもない。

◆本誌は特別取材班(宮嶋巌、和田紀央、高橋篤史)を立ち上げ、畑野氏にまつわる空白の過去をさらに追究します。情報をお寄せ下さい。

   

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