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愛知万博の負の遺産鉄道「リニモ」が経営危機

2009年2月号 [ビジネス・インサイド]

愛知万博の会場へのアクセス路線の一つだった東部丘陵線「リニモ」を運営する第三セクター、愛知高速交通が09年3月期決算で約20億円の債務超過に転じる見通しとなった。増資など資本支援をしなければ、借入金の返済が滞ることになる。同社に出資している中部電力、名古屋鉄道など地元の有力企業や金融機関は、愛知県の見通しの甘さや問題の先送り体質が傷口を広げた、と怒り心頭の様子。ところが、県や沿線の自治体の中には財政難を理由に「採算を考えない社会貢献ということでは支援を継続できない」(地元金融機関幹部)と主張する幹部もいる。

リニモは愛知万博の開幕に合わせて05年3月に開業。日本初の磁気浮上式鉄道で、万博期間中は来場者の交通手段としてのみならず、「動く展示物」としても人気を集めたが、その後は鳴かず飛ばず。利用者数は05年度の5万8千人(一日平均)から、08年上期は採算ラインの3万人を大幅に下回る約1万8千人にとどまっている。

地元経済界や金融機関は営業開始当初から万博後の需要に悲観的な見方をしており、「これまでも抜本的な再建計画を県に要請してきたが、当時は景気も良かったので、県の担当者も対応を先延ばしにしていた」(前出)。

県は民間企業も含めた追加出資などで借入金の返済や債務超過の解消を図る方針だが、「百年に一度の経済危機の中、出資に応じられる企業はほとんどない。廃線も真剣に考えるべき」との声まであがっている。