日本海沿岸県7新聞のシンジケートコラム「時代を読む」を10月31日に掲載しました。文中の落語家、桂米朝師匠はその3日後の11月3日に文化勲章を受章しましたが、ちょっと偶然です。車椅子姿でしたが、彼の高座が聞けないのがちょっと寂しい。テーマは新型(豚)インフルエンザです。仮タイトル(各紙で多少異なるかも)は、
弱身につけこむ「風邪の神」
投稿者 阿部重夫 - 10:00| Permanent link | トラックバック (0)
新潟日報など環日本海6紙のシンジケートコラム「時代を読む」に先週末寄稿しました。それをここに再録します。
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総選挙である。
国破れて山河あり。ふと杜甫の詩が思い浮かんだ。稲穂を揺らす風の波紋、日だまりの村道の人影、闇に回されるペンライトの光……。西川美和監督の映画『ディア・ドクター』が撮ったあまりにも美しい日本の里山を見たからだ。
かつて無医村だった村の診療所で奮闘していた一人の医師が失踪する。村人の半ばは老人で、寝たきりや認知症も数多く、「神」を失った村はパニックに陥る。一見、よくあるニセ医師の美談のようで、それほど単純ではない。落語家の笑福亭鶴瓶が演じる医師は、ニセを自覚し、ニセだと告白しながら、ニセでない「名医」を演じつづけなければならない。
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どんな暗いトンネルにも必ず出口がある。いや、出口を考えない「迷える子羊」に、出口はみつからないというのが本当ではないのか。
4月18日、ニューヨーク連銀の市場部門チーフに、38歳とまだ若いブライアン・サックが指名された。彼がアメリカの金融危機脱出の帰趨を制すると言っても過言ではない。前任のビル・ダドリーがNY連銀総裁に昇格した後に抜擢され、そのダドリーも前総裁のティモシー・ガイトナーが財務長官に転出後に昇格したから、いわば玉突き人事。それでも、この布陣に目を凝らすと、「出口」がおぼろげながら浮かんでくる。
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新潟日報など環日本海6紙のシンジケートコラム「時代を読む」に寄稿しました。前回は地銀を主たる対象にした「時価会計凍結」への批判でしたが、今回は金融機関強化法の成立を受けたその続編。日経平均株価がまたも7000円台に滑り落ちているなかで、いよいよ3月期末が迫ってきた地銀の憂色が濃い。いくら会計原則を曲げてゲタをはかせても、その「不健全」さは中小企業など地元企業への貸し渋りとなって、ますます景気を悪化させる悪循環の様相を呈しています。政府に資本注入を申請すると発表した第二地銀を例に、金融庁の監督行政の矛盾を書いてみました。
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前号でテレビ・キャスター筑紫哲也氏の追悼記「ひとつの人生」を掲載した。恐れ多くもジャーナリストの大先輩にあたる人だが、ずっと以前に毎日新聞本社の最上階にあるレストラン「アラスカ」で他の方々と同席したことがある。彼が癌で長期休養に入るずっと前だが、午後8時になっても悠然と飲んでいるのには驚いた。恐る恐る「大丈夫ですか」と聞いてみたが、にこにこ笑っていた。
のちに彼の番組「ニュース23」に呼ばれて出演したこともある。それを真似たわけではないが、局入りする9時半まで時間を持て余し、ちょいとドイツビールをきこし召してから出演した。筑紫さんがあそこまで平気なら、自分も大丈夫かと思ったのだが、さにあらず。あとで「顔が少し赤かった」と言われて、大いに恥じ入った。
やはり18年もカメラの前に立った人間と、一夜漬けでは覚悟が違う。これからはデジタル放送だから、毛穴まで見えそうなカメラの前で、万が一にもアルコールなど飲んで出られないと肝に銘じた。BS11のキャスター役をこの秋で卒業させていただいたのも、ひとつの理由は金曜夜に禁酒を課せられるのが、だんだん辛くなってきたからである。
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日経平均株価がバブル後最安値の7100円台に急落したのを受けて、麻生首相は10月27日、関係閣僚と与党に対し緊急市場安定化策の取りまとめを指示しました。
柱はすでに新聞でも報道されているように、銀行株買い取り、会計基準緩和、株式市場規制緩和、金融機関資本注入ですが、当面打てる政策を洗いざらいかき集めただけに、相矛盾する政策が盛り込まれそうです。なかでも筋が悪いのが時価会計の骨抜き。麻生総理も中川財務・金融担当相も時価会計にかねてから疑問を呈していましたが、欧米と歩調を合わせたここでの逆コースは、「失われた10年」で何度も繰り返された光景。企業買収の恐怖に乗じた経営者の保身に利するだけです。
10月26日に新潟日報など環日本海7紙に同時掲載するコラム「時代を読む」を書きましたので、ここに再録します。
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環日本海の地方紙10紙に配信していただいているシンジケートコラム「時代を読む」の順番が来て、7月26日(土)に一斉に掲載された。それをこのサイトに再録する。
今回は7月に入って信用不安の広がりから、にわかに焦点が集まったアメリカの住宅抵当公社、ファニー・メイとフレディ・マックを論じた。実は両社の危機について、最新号のFACTAは追いきれなかった。株価が急落したのは7月第2週の後半とほとんど最終デッドライン(締め切り)で、記事をつっこめない。月刊誌の宿命とはいえ、指をくわえてみているほかなかった。
だが、この端境期に勃発した信用不安は、天文学的な規模もなることながら、アメリカ経済の奥深く潜む病を照らしだした。経済ジャーナリズムとして沈黙するわけにはいかない。しかし、いかんせん、自分の雑誌ではカバーできないので、私が出演しているTBSラジオの早朝番組「生島ヒロシのおはよう一直線」や、BS11の「インサイドアウト」で取り上げさせていただいた。それでも、時間的制約もあり、いささかもの足りない。で、「時代を読む」のコラムの場を借りて、少し踏み込んで論じてみた。
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4月27日付で新潟日報など環日本海10紙のリレーコラム「時代を読む」に寄稿しました。たまたま、青森に取材に行っていた知人が東奥日報でコラムを見たとメールをしてくれました。通信社を介した配信ではありません。手嶋龍一氏らとローテーションを組み、日本でもシンジケートコラムができないかと始めた試みです。10紙の購読者を合算すると200万人になるそうですから全国紙規模ですが、都市部に偏ることなく地方にもメッセージを届けられるというメリットがあります。FACTAの知名度をあげる狙いもあります。
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タイミングが良すぎたというか、してやったりとういうか――空席だった日銀総裁に、先に副総裁に就任していた白川方明氏がきょう(4月9日)昇格するが、4月6日付の熊本日日新聞で、白川氏が先月出版した大著の書評を掲載したので、ここに再録する。
書評にもあるように、彼とは年齢も近く、日銀取材を通じて知己となった。個人的には「大変な重責ですが、おめでとう」とお祝い申し上げたい。しかし知己であるがゆえに、書評で変にじゃれたくはない。
同じ6日付の日本経済新聞で、ロンドン特派員の女性記者が「独立性揺るがぬ英中銀」と題してコラムを書いていたが、その不勉強にちょっとあきれた。97年にブレア政権発足後すぐ、ブラウン蔵相(現首相)が行なったイングランド銀行改革をとり違えている。あれは独立性をイングランド銀行に与えたのではない。剥奪したのだ。当時、私はロンドンに駐在していたが、銀行監督部門を切り離してFSAを創設することによって、中央銀行の権限を限定し、金融政策専従にしたのだ。
表向き金融政策運営に独立性を与えるという見かけをとっているが、イングランド銀行は金融街シティに君臨する法王の座から蹴落とされたのだ。ブラウンの剛腕をかいまみた。当時の総裁、エディ・ジョージの複雑な表情が忘れられない。
「スレッドニードル街の老女」とあだ名されたイングランド銀行が、かつて秘密めいた支配力を握って放さなかったことは、大蔵省出身の経済学者ケインズと、ドイツ賠償問題や金本位復帰などで対立した伝説のノーマン総裁を見ればよくわかる。ケインズが「野に叫ぶ預言者」だった不遇の時代、誰が沈黙して英国の金融を牛耳っていたのか。ブラウンは過たず独立性の牙城を骨抜きにし、英国経済を思うままに好調軌道に乗せ、ブレア長期政権を担保したのである。
そういう隠微な歴史をろくに知らない記者が中央銀行論を書く時代だ。9日の場況記事では白川氏の新著――「現代の金融政策―理論と実際」(日本経済新聞出版社 6000円+税)に触れたくだりが出てくるが、時間軸効果だけとは寂しい。タカだのハトだのでなく、もっと本質を論じるべきだろう。
それにしても、白川氏本人も金融政策の理論家として本書を執筆したときは、まさか総裁として日銀に舞い戻ろうとは考えていなかったろう。論が慎重すぎるのでは、と素直にジャーナリストの視点から苦言を呈する書評になったが、ときにないものねだりだったかもしれない。白川総裁には寛恕を願うばかりだ。
投稿者 阿部重夫 - 14:00| Permanent link | トラックバック (0)
外交ジャーナリストの手嶋龍一氏や、建築評論家の隅研吾氏と、日本海側の10紙に輪番で掲載しているシンジケートコラム「時代を読む」に寄稿しました。仮みだしは、「市場鎖国ニッポン」の株安。
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日経平均株価が535円も急落した1月21日、官邸のブラ下がり取材で「株安は内閣の経済政策に市場が突きつけた不信任ではないか」と聞かれた福田首相はムッとした。
「そんな(ことを言う)専門家いますか。ちょっとお顔を拝見したいですね」
残念ながら、この株安を「福田売り」「官製不況」と見る識者は山といる。
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たまには頭を空っぽにしたい。編集長は四六時中、気苦労している因果な商売だからです。で、このお正月は、DVDと箱根駅伝と三鷹高校のサッカーに明け暮れた。さすがに、これでは痴呆状態だと反省しきりである。
そこで罪滅ぼし。夜、寝静まってから、フリードリッヒ・ヘルダーリンの詩集(川村二郎訳、岩波文庫版)を、ドイツ語の原文と首っ引きで読んでみた。学生時代、保田與重郎の「清らかな詩人」を読んだが、あの朦朧体の文章に目をくらまされて、ヘルダーリンと聞くと、感激性のロマンチスト像しか浮かばない。與重郎の文章は屈折が多すぎるのだ。
投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)
昨日、6紙に掲載されたシンジケート・コラム「時代を読む」の原稿をここに再録する。
こちらがつけた仮タイトルは
ATMも「対朝包囲網」の戦場
だが、各紙でそういう見出しを採用したかどうかは分からない。
投稿者 阿部重夫 - 06:00| Permanent link | トラックバック (0)
1月27日(土)から新しい試みとして「シンジケート・コラム」を始める。「シンジケート・コラム」というと戸惑うかもしれないが、複数の新聞に共同配信するコラムのことである。既存の通信社を使わず、外交ジャーナリストの手嶋龍一氏、建築家の隅研吾氏と3人でローテーションを組み、地方紙7紙に大型のコラム「時代を読む」を月1回、一斉掲載することになった。本日がその第一弾である。
日本では「コラムニスト」という名称がインフレ気味である。雑誌や新聞で著者名入りの企画記事を載せることができる身分になるだけで、たちまちコラムニストを名乗る。確かに海外ではコラムニストというと、並みの切った張ったの記者よりは格上の感があるが、なんでもかんでもコラムニストというのはいかがなものかと思っていた。
投稿者 阿部重夫 - 06:00| Permanent link | トラックバック (0)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。
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