阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

2012年11月15日 [leaks]旧アルゼ(ユニバーサル・エンターテインメント)への質問状

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最新号では、パチスロ大手、ユニバーサル・エンターテインメント(旧アルゼ、ジャスダック上場)とラスベガスのカジノ王、スティーブ・ウィンとの訴訟合戦で浮上した、内部文書と目される文書についての記事( 「岡田vsウィン」カジノ訴訟に仰天文書 )を掲載しています。

ユニバーサルの創業者、岡田和生会長が2000年当時、資金難に苦しむウィンに出資した当座は蜜月で、ウィンのマカオ進出も中国の富裕層の殺到で大成功を収めました。集英社インターナショナルからは『ラスベガス・カジノホテル 最も新しい挑戦』などという本を共著で出すほどでした。

ところが、独自にカジノホテルを運営したい岡田社長は、ウィンの反対を押し切ってフィリピンのマニラ湾にリゾート兼カジノホテル建設を進める計画を進め、とうとう2人が決裂してこの2月、ウィン側が筆頭株主である岡田氏を取締役から解任、「不正行為があった」としてその株式まで3分の1の価格で取り上げる強行手段に出ました。この「不正」とは、フィリピンでカジノのライセンスを交付する権限を持つ公社に対する贈賄や供応です。その調査をウィン側はFBI元長官の運営する調査会社に委ねたことから、ウィンは本気でユニバーサル側の「不正行為」を暴いて、アメリカの海外腐敗行為防止法(FCPA)の基づいてユニバーサルを叩きのめす意気込みのようです。

そこに、ユニバーサルの米国現地法人アルゼUSAの内部文書とみられる文書が出現、ウィン側やネバダ州のカジノ・ライセンス専門機関に届けられました。事実なら、ウィン側の主張が裏付けられることになり、裁判でユニバーサル側は不利になります。そればかりか、この資金ルートからフィリピンの前政権、さらには日本への還流先などが問題になりかねません。

本誌はユニバーサルに以下のような質問状を送りました。

ユニバーサルエンタテインメント
広報・IR室部長付 堀内 信之 様

ウィン・リゾーツ社との訴訟に関するお問い合わせ

ファクタ出版株式会社
発行人兼編集主幹 阿部重夫

拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。弊誌は調査報道を中心とする月刊誌で、昨年のオリンパス報道でもお聞き及びかもしれません。詳しくは弊社ウエブサイトをご覧ください。現在、御社と米国のウィン・リゾーツとの係争について取材をしております。

2月20日のウィンのリリースでは、フィリピンのマニラベイリゾーツ開発をめぐって米海外腐敗行為防止法(FCPA)違反の行為が御社にあったとしており、これを名誉毀損として御社と創業者の岡田和生会長が8月28日に損害賠償訴訟を起こしました。この件をめぐり、関係者から米国現地法人アルゼUSAの内部文書と目される資料を入手いたしました。記載内容などについてご見解をお尋ねしたいと思います。質問は以下の通りです。

1.文書によれば、09年12月から10年5月までの間に、アルゼUSA日本支社から香港の連結子会社Future Fortune limitedへ3回に分けて4000万ドルの海外送金をしたとされております。これは事実でしょうか。

2.文書によれば、このうち3500万ドルがFuture Fortune limitedから、香港の企業へ4回に分けて「コンサルタントフィー」として支払われたというされていますが、事実でしょうか。事実であれば、どのようなコンサルティングに対する対価なのでしょうか? 

3.海外送金された4000万ドルのうち、3000万ドルがフィリピンでカジノ認可権を持つ公社PAGCORの代理人と称する有力者に支払われ、残る1000万ドルが日本に戻されたという情報もありますが、これは事実でしょうか? 事実であれば、どのような名目で戻っているのでしょうか?

4.御社は8月20日、元アルゼUSA日本支社長の飛田光雄氏が10年5月18日にアルゼUSA名義の三菱東京UFJ銀行の外貨預金口座から、金500万ドルを無断で引き出して「コンサルティング費」として海外送金をして損害を被ったとして、1億円の賠償を求めて飛田氏に訴訟を起こしていますが、この500万ドルは上記の支払いの一部ではないのでしょうか。

5.今年8月、米国ネヴァダ州のGaming Control BoardのSenior AgentであるBrandon Griffith氏が来日し、ユニバーサルエンターテイメントおよびアルゼUSA日本支社を訪れて海外送金について調査をしたと聞きましたが、これは事実でしょうか? 事実であれば、どのような調査だったのでしょうか?

以上でございます。この記載内容は米国での訴訟にも影響を与える可能性があります。お忙しいところ、大変恐縮ではございますが、弊誌次号(11月20日発売)の締め切りの都合もございますので、11月13日(火)までにご回答いただけないでしょうか。回答はメールでもファクスでも、あるいは面談でも結構でございます。よろしくお願い申し上げます。    敬具

11月7日

これに対しユニバーサルの代理人弁護士から11月13日に回答が届きました。長いので次のブログで掲載します。