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阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

SBIホールディングスへの第二公開質問状

2012年03月19日

3月8日にSBIホールディングスが出したリリースによると、同社は弊誌を名誉棄損で訴え、東京地裁で訴状が受理されたそうです(訴状がまだ届いていないので詳細は不明ですが)。

1月号の記事に対し、SBIホールディングスおよびSBIインベストメントの代表取締役CEOである北尾吉孝氏から届いた訂正要求と警告文(いずれ公開しますが)で、また書いたら訴えるとの趣旨の脅し文句を忠実に履行したものと思われます。

なぜなら、リリースを出す前日、弊誌は第二弾を準備中と宣言したうえで、北尾氏に昨年12月15日にこのブログで公開した質問状に続く第二質問状をお送りしたからです。訴訟好きの北尾氏、追い詰めればそう出るだろうことは承知の上でした。

前回はコーポレート・インフォメーション部から文書回答をいただけたのですが、今回はいきなりリリースで、うんともすんとも言ってきません。回答の意志があるかどうか、2月12日に確認の電話を入れたところ、「係争中なので回答はありません」と返答してきました。

「では、存分に書かせていただきます」と言いましたが、FACTA最新号にこちらもお約束どおり、「SBIが『連結外し』隠蔽」という記事を掲載し、オンライン上で公開された18日になって、SBIはリリースだけで回答してきました。奥ゆかしいですねえ。記事が出てからでないと回答できないのですか。後出しジャンケンとは、恐れ入りました。それだけ必死なのだ、と理解します。

全面戦争です。いや、北尾氏には最終戦争かもしれません。肉を切らせて骨を断つ、さてどちらが倒されるでしょうか。FACTAは白兵戦にも怯みません。

ところでFACTAに対し3件も立て続けに名誉毀損訴訟を起こし、みごと検査忌避で逮捕起訴されて訴訟を取り下げた日本振興銀行の木村剛被告は3月16日、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が下されました。感慨深いものがあります。

とにかく、どちらの言い分が正しいのか、質問状と記事を両方読みあわせてご覧ください。

*   *   *   *   *

SBIホールディングス
SBIインベストメント
代表取締役執行役員CEO
北尾 吉孝 様

SBIの香港取引所開示資料について

                       ファクタ出版株式会社
                       月刊FACTA発行人  阿部重夫

拝啓 
時下ますますご清祥のことと存じあげます。2月6日付通知書で御社は弊社に対し名誉毀損訴訟を準備中であると告げておられますので、弊誌も第二弾の調査報道の準備中です。

SBIホールディングスが2011年11月25日、香港取引所で開示した英文資料について、確認も含めいくつかお尋ねしたいことがあります。資料によると、香港取引所の上場規則14条に基づき、売上比率5~25%の範囲内の子会社売却であるため開示すると前置きしたうえで、御社グループのHOMEO(ホメオスタイル)株17万9422株を“一個人”に売却し、ホメオを連結子会社から外したうえで、SBIがこの“一個人”との間でホメオ株と100%交換する会社としてIRIの名を挙げています。

質問は以下の通りです。

①本件取引は東京証券取引所では開示されていません。なぜでしょうか。

②香港のリリースでは、32億円の簿価のホメオを23億円で“一個人”に売却するのでSBIホールディングスは9億円の損失を被るとありますが、今期第3四半期決算のどこに計上されましたか。関係会社事業損失は4億2100万円で数字が合いませんので、投資有価証券売却損10億6500万円でしょうか。だとすると、100%子会社のホメオ株を投資有価証券とした理由は何でしょうか。

③我々の調査ではホメオは債務超過会社です。23億円の評価額は何が根拠なのでしょうか。その企業価値評価はどこが行いましたか。

④ホメオの11年6月決算では、負債31億円のうち短期借入金22億円が計上されていますが、これはSBIグループからの借り入れではないのですか。

⑤ホメオと全株式を交換されるIRIはインターネット総合研究所のことで、この“一個人”とはその創業者である藤原洋代表取締役所長でしょうか。

⑥藤原氏と見られる“一個人”は、香港のリリースでは、香港取引所の規定する利害関係者ではないとありますが、SBIグループ、もしくはその運営するファンドからの貸し出しはありませんか。あるのでしたら金額、利率などの融資条件はどうだったのでしょう。

⑦同リリースでは、SBIはこの“一個人”からIRI全株式を譲り受け、12年1月末日に売却代金23億円を超える金額の資産については当該“一個人”に返却することになっています。返却された資産の中身は何ですか。

⑧本件取引について、御社の監査人である有限責任監査法人トーマツは認識していますか。

⑨取締役会で社外取締役の方々も同意したのですか。トーマツご出身の渡邊啓司氏はどんな意見表明をしましたか。

以上です。東証上場企業が適示開示する場合、上記の点については開示が必要とされる事項だと思います。弊誌の締切もございますので、恐縮ですが3月12日(月)までにメール、ファクス、郵送等いかなる形でも構いませんが、ご回答いただけたら幸いです。

なお、御社監査人のトーマツの松尾清様、大仲康行様、遠藤康彦様にも同趣旨の質問状をお送り申し上げております。                         敬具
 
3月7日

投稿者 阿部重夫 - 00:00| Permanent link | トラックバック (0)


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発行人 阿部重夫

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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