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阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

オリンパスには「エミールと探偵たち」

2011年11月07日 [leaks]

今週はブラックアウト(通信途絶)に入ります。宇宙船が大気圏に再突入する際、高熱の炎につつまれて交信ができなくなる状態を、停電の意味もある「ブラックアウト」と言います。オリンパスについては逐次コメントをしてきましたが、これから編集期間に入るのでしばらく発信できなくなります。ブログは来週から復帰します。

そのあいだは「エミールと探偵たち」の一幕を眺めていよう。

エーリッヒ・ケストナーのあの本、ご存じの方も多いと思います。岩波少年文庫に池田香代子訳がありますから、未読の方はぜひ読んでみてください。

大都会ベルリンで繰り広げられるあの捕物、ありきたりの児童書にないリアリティーに満ちていて、耳慣れない地名も憧れの固有名詞でした。自分が新聞記者になったのも、もしかしたら、作者のケストナーが新聞記者だったせいかもしれません。

主人公のエミール、お婆さんに渡すおカネ(140マルク)を母親から預かって、ひとりでベルリン行きの電車に乗るのですが、ウトウトしたすきに個室で相席の山高帽の男にすられてしまいます。エミールは山高帽を目印に、大都会の雑踏をどこまでも尾行していきます。

街頭でガキ大将のグスタフに出会い、その仲間20人の協力を得て、手分けして山高帽の男(グルントアイス)の住まいを突き止めます。男が出かけるのを、町中の少年たちが湧くようにでてきて尾行に加わり、銀行まで追いかけるのです。

いつのまにか、少年たちの黒山のような群れが山高帽の男のあとにぞろぞろついてくる光景がたまらなくファンタスティックで好きでした。

さて、「エミールと探偵たち」を紹介したのは、FACTAが巣ごもり中も、他のメディアの方々がオリンパスをしゃぶった「山高帽」たちをじわじわと追い詰めるだろうと思ったからです。

7日月曜発売の週刊朝日。トップ記事はオリンパスでした。「損失隠し」。そう、いい線をいっている。ついでに、ちょっと明かすと、週刊朝日の標的は白髭橋のそばに住んでいる。記者の方には、ぜひ面を割って写真でも撮っていただきたい。

そうすれば、ご本人も慌てるでしょう。家に帰らない? でも、ホテル暮らしはもっと足がつくものです。知人宅を転々とする居候生活は辛いだろう。椿弁護士のように海外に逃げても、入管を通るだろうか。それに今度は、FBIが追ってくるだろう。

こういう時は、四の五の言わず出てくるのがいい。FACTAはずっと言い分が聞けるのを待っているのですから。それとも、あぶり出されるのを待つつもりでしょうか。グスタフのお友達のパパラッチは町中にいます。ジャーナリスト、カメラマン、みんなが追いかけている。そのあいだ、こちらは黙々と次号を作ろう。

投稿者 阿部重夫 - 15:00| Permanent link | トラックバック (0)


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発行人 阿部重夫

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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