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阿部重夫編集長ブログ「最後から2番目の真実」

ののちゃんとファド3――今度はマリーザ

2010年03月31日

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病気で休載していた朝日新聞の朝刊マンガ「ののちゃん」が再開され、昨年このブログでとりあげた不遇のファド歌手兼キクチ食堂のお手伝い、吉川ロカも登場した。

3月30日掲載の4512回は、山田食堂に流れる歌に客が「陰気な歌だなあ。めしがまずくなるよな」とつぶやくシーンから始まる。そこにDeixa-me beijar as tuas águasと歌詞が流れている。

例によって何の説明もない。いしいひさいちは謎解きを楽しんでいるのだろう。

これは昨年来日したファド新世代のマリーザが歌ったBeija de saudade(サウダーデのキス)の冒頭部分である。マリーザは1973年に旧植民地のモザンビークに生まれた。たぶん染めているのだろうが、ショートカットの金髪で、やや男っぽい顔立ちですね。この曲は昨年発売のアルバムTerraに納められている。

Ondas sagradas do Tejo
Deixa-me beijar as tuas águas
Deixa-me dar-te um beijo
Um beijo de mágoa
Um beijo de saudade
Para levar ao mar e o mar à minha terra

英訳にすると

Sacred waves of the Tejo
Let me kiss your waters
Let me grant you with a kiss
A kiss of sorrow
A kiss of longing
For you to carry it to the sea
and the sea to bring it to my land

マンガでは店の人に白い目でにらまれ、「ライブはもっといいんだろうねえ」とおだてると、そのライブをロカが始めて、客は帰るに帰れない。そのとき流れているのが、

Terra da minha mãe
terra dos meus amores

これは先の歌のもっと後の部分である。
ふうむ、いしいひさいちは入院中もマリーザのCDを聴いていたのかしらん。それとも掲載前日、ポルトガル通のウェブサイトQuinta do quimでたまたまこの曲を取り上げていたのが、あれは偶然でないのかな。とにかく、歌そのものを聴きたい人は、このサイトにエンベッドされたユーチューブをご覧ください。

投稿者 阿部重夫 - 15:18| Permanent link | トラックバック (0)

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* 発行人 阿部重夫 *

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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