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阿部重夫編集長ブログ「最後から2番目の真実」

藤原美喜子さんの本「人生好転のルール55」

2009年11月25日 [書評]

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小生はめったにノウハウ本を読まない。単純に忙しくて読んでいる暇がないからだ。記者などというヤクザな稼業は、常にあたって砕けろ式の取材が要求され、究極のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だから、それが習い性になってしまっただけのことである。

取材方法は見よう見まね、誰も教えてくれず、記事がだめなら黙ってボツ、という日々で、なぜボツかは自分で考えろと突き放された。べつに人生のノウハウ本など不要、などとエラソーなことが言えるほど、楽に生きていたわけではないから、ハウツー本嫌いなわけではない。実は手に負えない事態になったときなどは誰か「人生好転のルール」を教えてくれないかと、内心天を仰いでいたくらいである。

さて、藤原さんである。ロンドン大学でMBAを取得して、外資系金融機関をいくつも経験した、キャリア・ウーマンの走りみたいな人だ。彼女にはFTの記者を通じて紹介された。

先日電話がかかってきて、本を書いたという。「阿部さんところの雑誌で紹介してくれる?」と頼まれた。しかし編集が終わって刷り上がったばかりなので、掲載は1カ月は先になるから、ブログで紹介することにした。それが「人生好転のルール ビジネスのプロは、上手に働いて幸せをつかむ」(小学館、税込み1155円)という本だが、表紙がほほえましい。というか、親バカ丸出しだなあと思った。

自慢の娘さん(一度、虎ノ門のお店でちらっとお目にかかったことがあるが、なかなかかわいらしい)と一緒に親子でご出演である。たしかオクスフォード大学を優秀な成績で卒業したらしい。

これだけでトクした気分になるから不思議だ。本の中では、成績がいいので医学部に行かせようと思った娘だが、本人のたっての希望で英文学を専攻したという。ふーむ、オクスフォードでも文学より医学のほうが格上なのだろうか。とにかく、歴史学者の英国人の夫に「自分がハッピーでないと人を幸せにできない」と娘の希望を通すよう諭されたエピソードがでてくる。

で、ルール55のうちの「32」ができあがったというわけだ。誰もがそうだろうなと思うちょっとした人生のコツがならんでいて、どれも難しいことではない。軽い人生訓で困難は乗り切れるという、彼女の楽天人間のエキスである。それは悩める若い人のための緩和剤なのだ。

トルストイだったか「不幸は千差万別だが、幸福はひとつの顔しかない」という格言があった。55のルールも畢竟、ひとつに帰すると思える。この本で幸福になる人はすでに幸福なのだ。

投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)

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* 発行人 阿部重夫 *

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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