登録内容の変更新規オンライン会員登録会員サービスについて

阿部重夫編集長ブログ「最後から2番目の真実」

11月号の編集後記

2009年10月19日 [編集後記]

印刷FACTAブックマークに保存

FACTA最新号(2009年11月号、10月20日発行)の編集後記を掲載します。フリー・コンテンツの公開は25日からです。

*   *   *   *   *

本人がカミングアウトしちゃったから、もういいのだろう。旧大蔵省の異能官僚でありながら霞が関に反旗を翻し、特別会計積立金の不明朗を暴いて「埋蔵金男」と呼ばれた高橋洋一氏(元内閣参事官)が、半年余の沈黙を破って新著『恐慌は日本の大チャンス』(講談社)を出した。3月に起きた書類送検のてんまつは、序章で4ページほど書いてある。

▼彼に電話した。「本、読んだよ。微妙だな」「どうして?」「例の一件、あれでみんな納得するかな」。本の腰巻きには「国家の陰謀!」とあるのに、本文は「ロッカーにあったなにかを届け忘れた」という落ち度は決して弁解できないもの、と恬淡と綴っている。陰謀説を読みたい野次馬、それをあてこみたい出版社の下心をあっさり外していた。実は不起訴処分以降、私は何度も彼に会って聞いているから、何があったかより、どう書いてあるかが関心事だった。

▼彼は数学科出身のせいか無邪気なほど合理的で、言い訳は無用と割り切っている。羊頭狗肉の腰巻きの惹句に文句も言わず、身なりにも無頓着で「ブルガリの時計」と言われて「なにそれ?」と聞き返すほどだ。しかしバットマンではないが「高橋リターンズ」は、脱官僚が旗印の民主党政権下で霞が関の脅威だろう。公約を実行する財源捻出のための「埋蔵金」絞りだしは彼の主張をパクったものだし、彼が批判した「過去官僚」(官僚OBの議員)の跋扈は、自公政権と顔ぶれこそ違え、鳩山政権でもほとんど変わらないからだ。

▼彼には「法案づくりのプロ」という自負がある。民主党が政策決定の内閣一元化で議員立法を放棄、法案は官僚丸投げになりそうなので、むしろ出番と睨み、法案づくり専門の個人シンクタンクを立ちあげる。天下りしなかった元役人の知人と組む「たった2人の霞が関」ベンチャーは名づけて「政策工房」。その意気やよし、FACTAは応援する。

投稿者 阿部重夫 - 12:00| Permanent link | トラックバック (0)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://facta.co.jp/generator/mt-tb.cgi/525

※記事の内容に無関係なトラックバックにつきましては、削除させていただく場合がございます。ご了承ください。トラックバックが正常に動作しない場合はsupport@facta.co.jpまでご連絡ください。


* 編集長 阿部重夫 *

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

* カレンダー *

2009年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

* 編集長ブログ更新通知 [RSSフィード] *

RSSとは記事のタイトルや概要を配信するための技術です。RSSに対応したソフトウェアやサービスを利用すると、最新の記事のタイトルや概要が取得できます。詳しくは「RSSフィードについて」をご覧ください。

FACTA online「編集長ブログ」は以下の規格に対応しています。

RSS 1.0
RSS 2.0
ATOM