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阿部重夫編集長ブログ「最後から2番目の真実」

2009年01月28日

消費税増税のドタバタ劇

3年後に消費税を増税する方針を盛り込むかどうかで揉めた2009年度の税制改正関連法案が、ようやく23日に閣議決定した。麻生太郎総理が相当こだわって、ついに押し通した形だが、終わってみればから騒ぎもいいところである。

騒ぎの背景には、麻生政権が金融危機に対応するためには景気テコ入れ策が必至で、小泉政権が「骨太の方針」で定めた2011年度までにプライマリーバランス(財政の基礎収支)を黒字化する公約を守れなくなったことがある。金融安定化のための二次補正予算までは組んだものの、閣内には財政再建派の与謝野馨・経財相を抱えているうえ、財務省もなし崩しの財政再建の反古は見過ごせない。そこで麻生総理はこの危機を全治3年とみて、3年後に消費税増税を約束、当面の大判振る舞いの免罪符にしようとした。

ところが、今年は衆議院の任期が9月に切れる「選挙の年」。消費税を創設した竹下内閣、増税に踏み切った橋本内閣が潰れたように、消費税に手をつけた政権は選挙で負けるというジンクスがある。党内には「この不況期に非常識」と反対論が巻き起こったが、麻生総理としては定額給付金問題での発言のブレが支持率急落を招いただけに、今度は頑として譲らない。そこに野党の民主党がつけこんで、政局にしようとしたからドタバタ劇が始まった。

投稿者 阿部重夫 - 12:00| Permanent link | トラックバック (1)

2009年01月20日

オバマ新大統領就任

米国時間の1月20日、日本時間では1月21日(水)午前2時に、いよいよオバマ新大統領の就任式がワシントンの議会議事堂前で行われる。新大統領の就任式といえば、アメリカでは国王の即位式典にも等しく、4年または8年ごとのお祭り騒ぎである。とりわけ今回は史上初の黒人大統領の誕生とあって、ワシントンポストの記念特別号は飛ぶように売れ、Tシャツやマグカップなどの「オバマ・グッズ」も大盛況だとか。空前の盛り上がりの経済効果は、17日~20日の4日間だけで、およそ10億ドル(約900億円)と試算されている。

この期待の高さは、それだけ今のアメリカが経済も対外政策もどん底であることの裏返しでもある。それを誰よりも実感しているであろうオバマは、意識して自分をリンカーンになぞらえる。自身と同じくシカゴ出身で、人種差別と戦い、南北戦争の試練を乗り越え、戦後は政治・経済とも傷ついたアメリカに宥和を訴えた大統領に。オバマが大統領選に出馬宣言したのも、若きリンカーン弁護士が過ごしたスプリングフィールドの地だ。オバマはこの1月17日には独立宣言の地、フィラデルフィアから特別列車でワシントン入りしたが、これもリンカーンの例を踏襲したもの。20日の就任式では、リンカーンが使った聖書に手を置き宣誓するというのだから、まさに「リンカーンづくし」である。

投稿者 阿部重夫 - 18:00| Permanent link | トラックバック (0)

2009年01月19日

2月号の編集後記

FACTA最新号(2009年2月号、1月20日発行)の編集後記を掲載します。フリー・コンテンツの公開は26日からです。

*   *   *   *   *

心電図に妙な波形が現れるので、水道橋のクリニックに通っている。優に3階分はある高架駅のホームに降り立つたびに思い出す。終戦の翌年、泥酔した批評家の小林秀雄が、ここの鉄柵の間から地面に転落したそうだ。抱えていた一升瓶は粉々になったが、落ちたのが幸い石炭殻の山。奇跡的に無傷で済んだらしい。

投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)

2009年01月16日

続・ニュースサイト戦国時代――長坂嘉昭プレジデント編集長に聞く

新聞に続き、雑誌や通信社も巻き込んだニュースサイトの再編が活発化している。本誌2008年11月号でも報じたが、ビジネス誌「プレジデント」を発行するプレジデント社が世界最大手の通信社トムソン・ロイターと共同でオンラインメディア「プレジデントロイター」を10月に立ち上げた。プレジデントが得意とする自己啓発やノウハウ記事とトムソン・ロイターの国際・金融ニュースを両輪に、ビジネスパーソンや投資家向けの「日本最強の仕事とお金の問題解決サイトを目指す」という。現時点でビジネス誌のNO.1サイトである「日経ビジネスオンライン」を追撃する。

FACTAでは、プレジデント編集長でプレジデント・ロイターの編集長も兼任することになった長坂嘉昭氏にインタビューを行い、今回の提携のいきさつや今後のメディア戦略について話を聞いた。

投稿者 阿部重夫 - 12:00| Permanent link | トラックバック (1)

2009年01月08日

緊迫の中東情勢

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は毎週月曜日にTBSラジオの早朝番組「生島ヒロシのおはよう一直線」に7分ほど電話出演していて、生島氏から振られたニュースについて解説しています。昨年4月から9カ月経つので、さすがに月曜の午前5時過ぎに起きだし、45分からの放送に備えるのには慣れたが、よく勉強していらっしゃる生島さんには到底及びません。恥ずかしいのであまり告知してなかったが、朝早いので何人かの方から内容をブログにアップして欲しいとリクエストをいただいた。

さすがにそのままポッドキャストで配信するわけにもいかないので、テキストに起こして加筆・編集したものを載せることにしました。以下は、5日に出演した分ですが、多少内容が古くなっていることはご容赦ください。

*   *   *   *   *

パレスチナ状勢が風雲急を告げた。年末年始に掛けて、イスラエルがパレスチナ自治区ガザを空爆。8日間余りで死者は500人を超えた(8日現在で700人以上)。

米国でオバマ新政権が発足するまで2週間を切ったが、政権移行のエアポケットを尻目にイスラエルの軍事作戦がエスカレート。民間人も含め3000人以上が死傷しており、ほとんど戦争状態である。米国発のクライシスで世界が景気悪化の不安に包まれるなかで、不穏な戦争の影がちらつく。

投稿者 阿部重夫 - 16:00| Permanent link | トラックバック (0)

2009年01月03日

「逆さまの地球儀」と「サンパウロのサウダージ」

まだ見ぬ国がある。何度かチャンスはあったが、南米は行き損ねた。ロンドンに駐在していた時代、無理をしてでも飛んで行くんだった、と今でも後悔する。

それは忘れた夢のようなものだ。たまたま、サンパウロに縁のある2冊の本を、この正月休みにようやく読むことができた。積年の渇を癒したので紹介したい。

投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)


* 発行人 阿部重夫 *

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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