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ルビの魔術に憑かれたのはいつごろだったろうか。単なる「読み」ではない。漢字の意味とルビの微妙な落差が、何か別の言語のような夢想に誘いこむ。
我が家の書棚には、酸性紙でぼろぼろになりかけた戦前の鏡花全集がある。20代で全巻を読み通したが、総ルビゆえに朗詠調で読めた。佶屈なのに流暢、古風でいてモダン、文語でありながら俗語、和文脈でいながら洋文脈、という変幻自在の文体になる。
これは恐らく和洋折衷の現代日本語のなりたち、その本質に根ざした言語の拡張機能と言えるもので、『インフォコモンズ』もその延長線上にある。
投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)
環日本海の地方紙10紙に配信していただいているシンジケートコラム「時代を読む」の順番が来て、7月26日(土)に一斉に掲載された。それをこのサイトに再録する。
今回は7月に入って信用不安の広がりから、にわかに焦点が集まったアメリカの住宅抵当公社、ファニー・メイとフレディ・マックを論じた。実は両社の危機について、最新号のFACTAは追いきれなかった。株価が急落したのは7月第2週の後半とほとんど最終デッドライン(締め切り)で、記事をつっこめない。月刊誌の宿命とはいえ、指をくわえてみているほかなかった。
だが、この端境期に勃発した信用不安は、天文学的な規模もなることながら、アメリカ経済の奥深く潜む病を照らしだした。経済ジャーナリズムとして沈黙するわけにはいかない。しかし、いかんせん、自分の雑誌ではカバーできないので、私が出演しているTBSラジオの早朝番組「生島ヒロシのおはよう一直線」や、BS11の「インサイドアウト」で取り上げさせていただいた。それでも、時間的制約もあり、いささかもの足りない。で、「時代を読む」のコラムの場を借りて、少し踏み込んで論じてみた。
投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (1)
FACTA最新号(8月号、7月20日発行)の編集後記を掲載します。フリー・コンテンツの公開は25日からです。
* * * * *
もう共同通信のピーコを聞かなくなって久しい。「ニュース速報」を告げるチャイムが鳴ると、新聞の編集局は本能的に緊張が走る。「御巣鷹の夏」もそうだった。私は整理部で第1面を製作する面担だった。午後7時過ぎだろうか、あの鐘が鳴って「日航123便がレーダーから消えました」との音声が響き渡った。乗客・乗員524人と聞いて血の気が引く。微かに胴ぶるいがきた。
投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)
The Economist誌の最新号(July12th-18th)の記事にはっとした。
Iran and the Economist SILENT NO MORE
と題する記事である。9年前の同誌の表紙の写真が載っている。血痕のついたTシャツを掲げ、緑のハチマキを巻いた青年の写真だ。その表紙には見覚えがあった。
投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (1)
産経新聞特別編集委員の田村秀男氏(われわれの通称「タムヒデさん」)は、日本経済新聞時代に私の先輩だった経済ジャーナリストである。ちょっと頼みごとがあって先日会ったが、野武士のような風貌が最近はきれいな白髭になって、なかなか凄みが加わってきた。その炯々たる眼光は、いっこうに衰えを知らない彼の取材ぶりをよく表している。「生涯一記者」を彼ほどみごとに生きている人はいないと思う。
その彼に頼まれて、産経新聞に彼の新著の書評を書いた。扶桑社新書から出た本でタイトルは
経済で読む「日・米・中」関係 ~国際政治経済学入門~
(扶桑社新書 760円+税)
産経のタブロイド紙「SANKEI EXPRESS」で連載している「国際政治経済学入門」のコラムを本にしたものだが、タムヒデさんの年来のテーマが浮かびあがって面白い。彼は日経で80年代後半のワシントン、97年返還時の香港の特派員だった。米国駐在時は財務省やFRBの幹部によく食い込んで、確か20年前に通貨の管理変動相場制をスクープした。東京で金融記者だった私を愕然とさせた。
投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。
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