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阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

お花見

2007年03月29日

東京も桜の花がほころびてきた。私も昨晩、夜桜を見た。

愛宕神社である。財務省の知人に誘われて、その境内にあるお店で午後7時に会うことになった。タクシーで馳せ参じたが、久しぶりにあの石段を前にして感心した。足弱の現代人向きではない。そそり立つように急な傾斜になっている。脇に緩やかな女坂もあるが、これくらいと思って登りだした。が、途中で息が切れて、手すりについすがる始末。いやはや、年齢を忘れていた。

赤坂の日枝神社近くの高校に通っていた10代、あそこの石段は鍛錬場になっていた。うさぎ跳びで何往復してもまだ元気でいられた。今はそういかない。上がえらく遠い。ぼんぼりが夜空に浮かび、ライトアップされた桜の枝が、すぐそこに見えるのだが、とほほ。しかし、神社境内で待ち合わせというが、あすこに何かあったっけ、と内心ぼやいていた。

どうにか階段をあがると、なるほど茶屋らしきものがある。先客が来ていた。アメリカ人の弁護士と投資顧問会社のアナリスト。ほどなく友人といっしょに米国政府のOBと別の弁護士が現れた。きょうは花を愛でながら、英語で歓談という趣向である。

米国政府のOBは90年代前半、クリントン政権のときにコメ交渉でしばしば新聞に名が躍った人である。今は業界に天下って日本にいる。民主党系だからブッシュの不人気や、イラク撤退論などに話が及んだ。

民主党政権になったらイラクは撤退するかと聞いたら、当然のような意見だった。別の弁護士はむしろ、大統領選前の撤退の可能性を論じていた。それから安倍政権に話が及び、「コンフォート・ウーマン」(慰安婦)問題に話が飛んだが、やはり厳しい意見が相次いだ。ワシントン・ポストの(拉致と慰安婦の)「ダブル・トーク」批判は、在米大使館がいくら反論しようと、アメリカの親日派でも利いている。

花見の割には話題が、知らず知らず「日米同盟の危機」に寄っていく。「桜の樹の下には屍体が埋まっている」と書いたのは梶井基次郎だが、酔えない花見だった。

本日のフリーコンテンツでも、首相官邸の根本匠補佐官の仕事ぶりを批判する記事を公開していますが、この政権の本質的な「感度の鈍さ」が露になりつつあるようです。ぜひご一読を。

投稿者 阿部重夫 - 12:00| Permanent link | トラックバック (0)


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発行人 阿部重夫

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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