阿部重夫編集長ブログ「最後から2番目の真実」
番号ポータビリティー4――WiMaxの可能性
2006年10月27日 [モバイル]
きょう公開のフリーコンテンツは、「リクルートで内紛、R25編集長が独立か」。先日、ある全国紙の社長に会ったら、英国のフリーマガジンが有料のタブロイド紙(大衆紙)を食っている話題になった。実物を見せてもらったが、確かに芸能ニュースがにぎやかに躍っていて、セクシーなカラー写真満載。これでは有料紙が負けるのも道理と思った。それに比べれば、R25は上品。二匹目のドジョウ紙も続々出たので、リクルートはR25式モバイル(出来がいい)などで猛烈に多角化、無料紙編集部に負荷がかかっているという実情は理解できる。FACTAとは対極の雑誌だが、考えさせられる。
さて、きょうもソフトバンクモバイル副社長、松本徹三氏のインタビューの続き。今回はインテルが後押しする固定無線通信の標準規格WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Accessの略称、別名はIEEE 802.16a)が将来、携帯第三世代(3G)のCDMAなどに置き換わる可能性があるかどうか、に焦点を絞った。
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――少し先の話ですが、ソフトバンクは4Gに向けてモバイルWiMAX系の実証実験をすでに始めていたり、予備免許を取ったりしていますが、松本さん個人としてはどうお考えですか。
松本 私自身は個人的にはWiMAXは現状ではほとんど興味がない。あまりに未完成だからです。 しかし将来の可能性に期待していますから、、実証実験することについては賛成しています。勿論、これと並行してWiMAX以外の可能性についても当然検討していくべきと思っています。国民の貴重な周波数資源を管理している国としても、当然そういう姿勢をとっていただくべきだと思っています。。
――WiMAXに対して懐疑的なのは、仕様の細部がきちんと決まっていないからですか。
松本 もっと大きな問題は、WiMAXがもともとは802.16という固定系の技術ということです。固定通信と移動通信に必要なノウハウは全く違います。少しぐらい改良したからといって、面的なカバーを必要とする広域モバイル通信として使えるものではない。
現段階では、モバイル環境を前提に正確にシミュレーションしたら、「ドコモや当社が始めるHSDPA(W-CDMAを高速化した3.5G規格)やKDDIのEVDO(cdmaOneの次のパケットデータ転送規格、EVDOはEvolution Data Onlyの略)よりもデータスループットは低い」という結果が出るはずです。これはフィールド試験以前の問題です。
我が社にとって重要なことは、現在および将来の3G、3.5Gのシステムを一定環境下で大幅に凌駕するような技術でなければ、新たに投資をする意味はないということです。今議論されている2.5GHZ帯の周波数は何としても欲しいけれど、将来に禍根を残すような投資はしたくないので、「本当によい技術が出てくるまでもう少し時間が欲しい」というのが正直なところです。
――WiMAXは移動通信より過疎地などで固定通信のラストワンマイルを繋ぐものとして活用すべきではないでしょうか。
松本 その通りだと思いますが、光ファイバーが全国に敷き詰められた日本では、そういう市場はきわめて小さいのではありませんか? アメリカやロシア、オーストラリアなどの広大な国なら話は別でしょうが。
――韓国はWiBroという技術で、高速移動時のハンドオーバー実験に世界で初めて成功しています。
松本 サムソン(三星)が一番うまく作り込んでますが、移動体通信と銘打つからにはハンドオーバーの成功なんて「当たり前のこと」ではありませんか? むしろ、「え、まだそんな段階だったの?」というのがこのニュースを聞いた人の普通の反応ではないでしょうか? EVDOのハンドオーバーなんか、今から8年以上前に成功していますよ。
――WiMAXのモバイルへの意識の薄さには、インテル的カルチャーが影響してるのでしょうか。
松本 「モバイルの意識の薄さ」というよりは、「モバイルの難しさへの過小評価」と言った方が正確だと思います。 問題は「騒がれ方と実力の乖離」ですが、これは、多くの人たちが「インテルだから凄いんだろう」と勝手に考えたからです。これは別にインテルが悪いのではなく、「インテル神話」を盲目的に信じる人たちが悪いのです。きちんとしたシュミレーション数字を検証することもせずに、みんなが信じてしまう。これは日本人だけではありません。世界中の事業者は、もっと自分の頭で考えるようになるべきだと思います。
(つづく)
投稿者 阿部重夫 - 06:00| Permanent link | トラックバック (0)
