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3月28日夜、衛星放送「朝日ニュースター」の生放送番組「ニュースの深層」に出演させてもらった。キャスターの木村忠正・早稲田大学理工学部教授(4月から東京大学助教授)のご指名である。私はお喋りは苦手で、顔もテレビ向きではないが、インターネットとメディアについて語れというので、冷や汗をかきながらのトークとなった。中身が雑誌の宣伝みたいになってしまったが、木村教授はこのブログを愛読しているらしい。一段と冷や汗である。
さて、オーストリア生まれの自由主義経済論者F・A・ハイエクを論じるのに、なぜケンブリッジ大学の勉強会の話から始めたかを語ろう。
私より10年以上前に、ケンブリッジのクィーンズ・カレッジで1年ほど暮らした日本人数学者がいた。アメリカで3年間教鞭を取った体験があり、理屈で押しまくることに慣れていただけに、古ぼけた英国の伝統が新鮮に見えたようだ。ニュートンの時代と同じように薄暗いロウソクを灯した部屋で黒いマントをまとってディナーの席につくことを、無上の喜びとする幽霊のような英国人学者たちを見て感激したらしい。彼は論理より情緒とか形とかに重きを置くようになった。それから20年近く経って、この数学者は市場原理によって「アメリカ化」した日本を呪詛するベストセラーを書いた。
藤原正彦氏の「国家の品格」である。
投稿者 阿部重夫 - 06:00| Permanent link | トラックバック (10)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。
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