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まだ風邪が癒えない。もう少しバグダードの話を書きたい。
米軍など駐留軍部隊やイラク移行政府要人、さらに多数派シーア派を標的にした反政府武装勢力のテロ活動を、英語では「insurgency」「insurgence」と呼んでいる。なぜ「revolt」「rebellion」「uprising」という日常語を使わず、ラテン語の「surgo」(立ちあがる)を語源とする難しい言葉をつかうのか。やはり「革命」や「蜂起」を連想させる言葉では正当化もしくは非難の響きがあり、それを無意識に避けようというバランス感覚が編集者や記者に働いて、ラテン系の難解な語彙で「韜晦」(とうかい)するのだろうか。
優れたイラク報道でピュリッツアー賞をとったアンソニー・シャディド記者(ワシントン・ポスト紙)もそこは変らない。でも、彼の著書「夜は近づく」の第5章「insurgency」の言いようのない暗さは、「言葉狩り」のヴェールを破ってイラクの現実を突きつけてしまう。ファクツ(事実)の前でレトリック(形容)は非力なのだ。たとえば、こういう会話だ。
投稿者 阿部重夫 - 06:00| Permanent link | トラックバック (1)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。
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