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風邪をひいた。喉が腫れて、節々が痛い。日曜は一日寝ていた。青く澄んだ空と、燦々とそそぐ日の光を、窓からふり仰ぐ。きょうはソニーの話はやめよう。
アンソニー・シャディド(Anthony Shadid)の「夜が近づく」(Night Draws Near)を読み始めた。シャディドはAP通信や「ボストン・グローブ」などの記者を経たのち、現在はワシントン・ポスト紙の記者である。2003年の米英軍イラク侵攻とその後の米軍進駐時、優れた現地ルポルタージュを送り続け、2004年にはピューリッツア賞、米国新聞編集者協会賞などを受賞した。
オクラホマ生まれだが、その名からしてアラブ系で、先祖はレバノンのマジューン出身だから、「中東は故郷であり、私はアラブのルーツを抱擁し、その言語を学んできた」という。「人種の坩堝」のアメリカで、亡国のバックグラウンドを持つ人間は少なくないに違いない。しかし、ワシントン・ポスト紙で一読したときから、彼の文章に魅せられた。
なぜだろう。説明できないもどかしさ。ルポが本になって出版され、年末の「The Economist」誌の2005年の良書の一冊にも挙げられたのを見て、アマゾンで買ってみた。読み始めてわかった。彼の魅力は、その耳にあると思う。
投稿者 阿部重夫 - 06:00| Permanent link | トラックバック (0)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。
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