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ソニーBMGの音楽CDに仕込まれたウイルス性の「マル(悪質)ウエア」を暴いた、フィンランドのマーク・ルシノビッチ氏のブログは、それ自体が潜入した敵工作員を摘発するスパイ小説のようにスリリングである。
ルシノビッチ氏はコンピューターへの不正侵入をガードするセキュリティの専門家なのだ。ハッカー(クラッカー)の多くは、不正侵入を検知されないようログを改竄したり、裏口を設けてそこから出入りするなどの手口だが、そのための一連のソフトをまとめた「ルートキット」(rootkit)と呼ばれるパッケージがあって、ウインドウズなどの基本ソフト(OS)の中核部分であるカーネルに忍びこむから始末が悪い。ルシノビッチ氏はこの「ルートキット」に詳しく、力作リポートも書いている。
ところが、灯台もと暗し。ルートキット検知ソフトを自分のマシンで試してみたら、なんと「陽性」と出たのだ。おかしい。ふだんからスパイウエアやウイルスを拾わないよう、不審なウェブサイトには近づかず、用心してきたはずなのに、なんとしたことか。「元カレの元カノジョの元カレ……」と果てしなく続くエイズ防止の政府広告があるが、身元の知れた相手と付き合ってきたのにエイズ検査で「陽性」と出たようなもので、ルシノビッチ氏は一瞬バグかと思ったし、疑心暗鬼にも駆られたのである。
投稿者 阿部重夫 - 06:00| Permanent link | トラックバック (1)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。
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