新興不動産業が危険水域に

「会計スキャン」は販売用不動産の滞留が著しい業歴の浅い業者に着目。負債の重石をはねのけられるか。

2019年9月号 BUSINESS

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三栄建築設計は木造3階建住宅を特色とする戸建住宅販売業者である。1993年9月設立の新興不動産業者であり、2006年9月の名古屋セントレックス市場への上場、11年8月の東証二部への上場を経て、12年8月に東証一部への指定替えとなった。会社は東証一部上場来7事業年度連続の増収を達成し、17年8月期までの3事業年度は連続増益でもあった。会社の業績は表1の通り絶好調となっている。ここで、三栄建築設計の営業キャッシュフローを当期純利益と対比してみると、計上されている当期純利益には営業キャッシュフローの裏付けが乏しいことが見て取れる(表2)。会社の18年8月期までの5事業年度の株主帰属当期純利益の合計は215億円であるところ、同期間の営業キャッシュフローは191億円の赤字である。差額としての発生主義未実現利益は406億円(=215億円+191億円)であり、この金額は三栄建築設計の18年8月期 ………

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