開発優先「マツダ病」は重篤

「日本のBMW」を目指して進軍ラッパが鳴る。過大投資が原因の経営危機をお忘れか。

2019年6月号 BUSINESS

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マツダが2025年3月期まで6年間の中期経営方針を発表した。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの長所を取り入れた新型エンジン「スカイアクティブ-X」で、直列6気筒を新たに開発するほか、ディーゼルエンジンでも直列6気筒の新型を導入する。目玉は縦置きエンジンの採用。業界で噂されていた「後輪駆動車(FR)」の開発を公にした。「本当に懲りない会社だ」とマツダOBは嘆息する。マツダは20年3月期から「スカイアクティブ」と呼ぶ商品群を順次一新していくが、従来の「前輪駆動車(FF)」に加え、中・大型の上級モデルでFRを本格的に立ち上げる考え。しかし世界販売台数が160万台程度と規模が小さい同社が2種類のプラットホームを揃え、エンジンの種類を増やすのは「リスクがあまりに高すぎる」とこのOBは言う。

開発畑の巻き返しで逆回転

マツダは過去に2度、過大投資で経営が傾いた苦い歴史がある。1度目は1970年代。マツ ………

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