裁量制撤退で消滅「加藤官房長官」

「働き方改革」が頓挫し首相の右腕の機能不全が露呈した。政局の気配はココからだ。

2018年4月号 POLITICS

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問題ない、記録はない、批判はあたらない。どんな疑惑も頭ごなしに全否定し、数の力で押し切る。支離滅裂な強弁で批判を封殺し、何を言っても無駄と諦めさせるのが安倍政権の「勝ちパターン」だった。森友問題で、国会に開示された公文書の改竄疑惑を朝日新聞が報じた3月2日も、首相・安倍晋三は「フェイクニュースだ」と全否定する、と多くの人が予想しただろう。ところが、安倍は否定しなかった。官房長官・菅義偉も、今回は「怪文書」とは言わず、財務省の問題と突き放した。大阪地検の捜査を口実に、文書の有無さえ認めない財務省に対し、自民党幹事長・二階俊博に至っては、「国会から要求された資料を出せないのは理解できない」と公然と批判を展開。「勝ちパターン」はあっけなく崩れた。予兆はあった。安倍は2月、裁量労働制のデータを巡り国会で追及されると、あっさり誤りを認めて撤回し、裁 ………

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