闇に消えた高野山 「興正寺マネー」

名古屋地検特捜部が強制捜査。魑魅魍魎が群がった挙げ句、60億円以上ものカネが溶けて消えた顚末。

2017年11月号 BUSINESS [弘法大師も呆れる「トンデモ 住職」]

  • はてなブックマークに追加

名古屋市東部の丘陵地帯、八事(やごと)地区に広大な寺有地を持つ興正寺――。貞享3(1686)年に創建され、尾張徳川家の祈願所ともなってきた高野山真言宗の別格本山だ。境内を歩くと、建物の前面に滝が流れ下る「圓照堂」や、かつての海運王の邸宅を移築し造営した日本庭園の「普門園」など、観光寺院化を狙った真新しい建造物が嫌でも目に飛び込んでくる。以前は鬱蒼とした森の中に国指定重要文化財の五重塔などが佇む密教寺院らしい趣に満ちていたが、ここ10年ほどで様相は一変したという。9月12日、この興正寺に名古屋地検特捜部の強制捜査が入った。容疑は梅村正昭前住職(69)らによる背任など。ガサは日付が替わる深夜まで及び、運び出された段ボール箱は30個以上を数えた。じつは興正寺を巡る乱脈ぶりが取り沙汰され始めたのは10年近く前からのことだ。巨額の土地売却代金が入った2012年以降、そ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。