「八方塞がり」ブラジル政治経済

ルセフ前大統領罷免の日、テメル新大統領は中国に飛んだ。経済立て直しのためだ。

2016年10月号 GLOBAL

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8月31日に行われたブラジル上院の弾劾裁判で前大統領ジルマ・ルセフが有罪となり罷免されると、大統領に昇格した前副大統領ミシェル・テメルはその日のうちに機上の人となった。9月4日から杭州で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の前に中国の習近平国家主席に会おうと中国に向かったのだ。ブラジルはかつてないほど深刻な景気後退に直面している。選挙での国民の信任を得ぬまま国を立て直す大改革に臨む新大統領としては、サミットという機会に各国首脳にお目見えし、大いに顔を売って支援を求めたいところ。特にテメルには、ブラジルの立ち遅れているインフラを整備し、比較的堅調な農産物輸出をさらに強化するため、最大の貿易相手国である中国からの投資を最大限呼び込みたい、という差し迫った思いがあったとみられる。

政界も汚職まみれ

「優先課題は、まずインフラ問題。そして大豆や食肉といった農産品の ………

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