ゾウガメに笑われる「百年の計」

2016年10月号 連載 [いまここにある毒]

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長めの夏休みを取って、久しぶりにダーウィンの『ビーグル号航海記』を通読した。忘れていたが、ガラパゴス諸島でゾウガメ2頭に遭遇し、悠然と去る姿が「前世界の動物」に見えたらしい。実は3頭捕獲して英国に持ち帰った。そのうちの1頭という通称ハリエットが豪州の動物園に譲られ、天命を全うしたのが20世紀を飛び越えて2006年。推定175歳という長寿だった。残念ながら遺伝子を調べると、ダーウィンが寄った島とは別の島の産だったが、進化論の祖と時代を共にしたことは疑えない。ゾウガメの眼で見たら、現代はどう映るか。9月3日、世界の温暖化ガス排出の4割を占める二大国、米中政府が「パリ協定」を同時批准した。杭州G20の前日にオバマ、習近平の両首脳が会談、ウラジオストクでの安倍・プーチン会談にあてつけるように固く握手した。日ロ接近を牽制する米中協調? 地球温暖化と時間のスケールが ………

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