「IOCの禍根」東京へ持ち越し

バッハ会長が親密なプーチンと政治取引。支離滅裂なその場しのぎで、疑惑をバトンタッチ。

2016年9月号 POLITICS

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スポーツを通じて世界の平和をめざすオリンピック運動の将来に大きな禍根を残した。国家ぐるみの組織的ドーピングが発覚したロシアに対し、国際オリンピック委員会(IOC)がリオ・デジャネイロ五輪への全面参加禁止処分という断固たる措置を取れなかったからだ。紆余曲折を辿った今回の騒ぎの発端は、カナダ・バンクーバー冬季五輪の雪と氷の舞台でロシア選手が無惨な成績に終わった6年前に遡る。当時、ロシアのスポーツ官僚や政治家は2013年の世界陸上、14年のソチ冬季五輪、15年のタタールスタン共和国の首都カザンでの世界水泳選手権のロシア開催に名乗りを上げようとしていた。カナダ人弁護士で世界反ドーピング機関(WADA)の特別調査委員リチャード・マクラレンの報告書によると、バンクーバー五輪の成績不振に当惑したロシアは以後、70年代の東ドイツ以来最も緻密で組織的といえる国家主導のドー ………

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