パナマ禍で英「EU離脱」一寸先は闇

6月国民投票を控え世論拮抗。キャメロン首相の特権階級ぶりに、土壇場で国民の怒り。

2016年6月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

半世紀以上前、英国の保守党党首で第65代首相となったハロルド・マクミランは、「首相として最も恐れることは何か」と尋ねられた。「事件だね。君、事件だ」と答えたと言われる。最も危険なのは、それが予想だにしなかった方面から飛び出した場合だ。よく引き合いに出されるこの逸話、実は真偽が疑わしいのだが、臆面もなく熱狂的なマクミラン崇拝を吐露するデビッド・キャメロン首相は、この遠い昔のダウニング街10番地(首相官邸)の住人の見識を思い起こすことになった。キャメロンは、英国が欧州連合(EU)から離脱すべきか否かを問う6月23日の国民投票に、英国経済の将来やその国際的地位、また自身の政治生命を賭けている。EU残留を何としても勝ち取りたいキャメロンは、いまは別のことに気を散らす余裕はない。だが、「事件」の勃発は制御外であることを、キャメロンは身をもって思い知った。 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。