就学支援不正と下村「塾人脈」

通信制高校を標榜しながら、「小遣い稼ぎ」と年寄りまで勧誘。国の補助金詐取を暴く特捜部vs前文科相周辺。

2016年2月号 DEEP [東理HDの暗部]

  • はてなブックマークに追加

不正に受給された就学支援金額は、5人分で91万円である。むろん氷山の一角で、立件までに金額は積み上がっていくが、一人当たりの不正額が20万円から30万円では、“寸借詐欺”に等しい事件であることに変わりはない。「本当に特捜案件なのか。三重県警レベルの事件なんだけど……」社会部記者が思わずこう漏らしたのが、社会人が高卒資格を取得する通信制高校の「株式会社ウィッツ青山学園高校」(三重県伊賀市)が、就学支援金を不正に受給していたとして、東京地検特捜部が2015年12月8日、家宅捜索した事件である。しかし捜査が進展、取材の厚みが増すと、幾重にも不正が重なった複雑な事件構図が明らかとなった。

「性善説」でろくにチェックなし

第一に、就学支援金が構造的に不正を誘引する制度であったこと。今回の主犯格は、ウィッツ青山学園高校を運営する株式会社ウィッツの元監査役(55)。親会社の東理ホールディングス(東証2 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。