予断と偏見「絶望の裁判所」

裁判官の質が地滑り的に低下。証拠調べもせず、事務的に処理される民事訴訟が多すぎる。

2015年12月号 DEEP

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元裁判官の瀬木比呂志さんは著書『絶望の裁判所』(講談社現代新書)で、裁判官の質の地滑り的低下や事務的に処理される民事訴訟が非常に多いことを嘆いている。確かに地裁の民事訴訟一審で証人や当事者(原告と被告)の尋問が減少の一途をたどり、証人尋問は10件に1件もないなど、現状は裁判官が証拠調べもせず、当事者の主張の優劣を判断しているようだ。「何度求めても証人尋問はおろか、当事者の尋問もせず、判決は被告が大企業で、著名な法律事務所の弁護士が付いているからか、その主張をなぞるだけ。こちらの主張を認めない理由も書かれていない。一、二審ともまさに絶望の裁判所だった」怒っているのは、本誌2013年9月号で紹介した、ケーブルテレビ会社「ジェイコムイースト」の解約料などをめぐる訴訟の男性原告(54)。男性によると、一審東京地裁では、男性の訴状と被告の答弁書、男性と被告 ………

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