IS最前線「出口なき戦場」

米・イラン核協定も、トルコの空爆も、宗派・民族対立を錯綜させるだけ。300万人難民に人道的危機迫る。

2015年9月号 GLOBAL [イラク軍最大の反撃作戦]

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イラクの夏が深まり、欠員の補充もままならない政府治安軍は、過激派組織「イスラム国」(ISまたはISIS)からアンバル州を奪還する作戦を開始した。戦いは誰が想像したよりも長く、また広範なものになることが明らかになってきた。7月初め、イラク政府はアンバルの重要拠点を取り返すため「過去最大の反撃作戦」の開始を宣言した。アンバルは、東はバグダッド、西と南はヨルダンやシリア、サウジアラビアの国境に接するイラク最大の州である。過去10年以上、スンニ派の反政府不満分子の中核地であり、過激派組織アルカイダの牙城だったが、現在はISが同州の8割を制圧している。5月半ば、ISは10台以上の車やトラックを使った自爆テロで州都ラマディを攻略し、再び政府治安軍を敗走させて、昨年のイラク第二の都市モスルとティクリート陥落以来最大の戦果をあげた。7月26日、イラク軍の対テロ特殊部隊は作 ………

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