サイバー空間の「存立危機事態」

2015年9月号 連載 [いまここにある毒]

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谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼賛』ではないが、酒を嗜む店は仄暗いところがいい。壁掛けの液晶画面がチラチラしては密談もできず、恋も囁けまい。が、たまたまリアルタイムでサイバー攻撃を可視化したサイトNorse Attack Mapを映しだす店に立ち寄り、思わず見とれた。時々刻々、地球上を色とりどりのビームが縦横に走る。最大の攻撃は中国から米国で、時に盛大な絨毯(じゆうたん)爆撃。まるで第3次大戦の近未来映画のようだ。いったい、これは現実なのか。盗聴で悪名高い米国のNSA(国家安全保障局)の元スタッフや退役軍人らが興したセキュリティ会社が、50カ国以上に置くダークネットの800万センサーで検知しているというが、自国発の攻撃を過少に見せていそうだ。ただ、ロシアでもカスペルスキーが地球儀型のCyberthreat、日本の情報通信研究機構もnicter Web、ドイツもSicherheitstachoというリアルタ ………

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