最低賃金「18円引き上げ」 前例なき露骨な「政府介入」

2015年9月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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今年度の最低賃金の目安を全国平均で18円引き上げ、時給798円とすることが7月29日、厚生労働省の小委員会で決まった。時給で示すようになった2002年度以降で最大の引き上げ幅となった。これまでの最低賃金協議や春闘と同様、今回も「経済の好循環」を掲げる安倍政権の意向を反映したのは誰の目にも明らかだろう。しかし、今回の協議の過程で、過去に前例のない露骨な政府介入があったことを知る人は少ない。これまでの最低賃金協議では、政府の要人が賃金の引き上げを要請し、それを踏まえて労使が取りまとめ役の公益者代表と話し合いながら、着地点を探ってきた。しかし、今回はこうしたプロセスを表向きは装いつつ、実際には話し合いが本格化する前に、いきなり政府が「18円の引き上げにする」と内密に通告したのだ。労使は賃金の話し合いではなく、内部説得に追われたのだった。金額が示された時期も ………

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