堤清二「知の冒険」の書店リブロに幕

2015年8月号 BUSINESS

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西武百貨店、パルコなどで知られたセゾングループを一代で築いた堤清二が亡くなって間もなく2年。1980年代は経済のみならず「セゾン文化」といった言葉も生まれたほど文化的にも強烈な影響力を誇ったが、その象徴がまた一つ消えることになった。東京・池袋にある書店「リブロ」である。西武百貨店池袋本店にリブロがオープンしたのは75年。もともとセゾングループの出版事業を担った出版社リブロポートと対をなす事業として始められた。一時は丸善、紀伊國屋、有隣堂といった大手に次ぐ書店にまで成長していた。が、リブロと他の書店の違いを際だたせていたのは、堤の個性だった。83年当時、京都大学人文科学研究所の助手だった浅田彰(現京都造形芸術大学大学院教授)が書いた『構造と力』は「ポストモダン」「ニューアカ」という言葉を社会現象化させたベストセラーだったが、それに先駆けてリブロは ………

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