「バラ色の水素社会」は嘘っぱち

水素スタンドは危ない。いずれボーンとくる。データを隠蔽する態度は「原子力ムラ」と瓜二つ。

2015年6月号 BUSINESS

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安倍総理が成長戦略第2弾として2013年に打ち出した燃料電池自動車(FCV)普及政策のメッキが剝げ始めた。世界に先駆けてトヨタが「MIRAI」を市販したのを機にFCVを一気に普及させ、「水素社会」を実現するという目論見はリスクが多すぎ、経済的にも成り立たない。まず、究極のエコカーと囃(はや)されるFCVは、CO2排出量が今の電気自動車(EV)より多く、「究極」は偽りである。何より懸念されるのは水素の安全性で、既に幾つも漏洩や爆発事故が発生している。福島第一原発の水素爆発は、桁違いの破壊力を見せつけた。水素スタンドが急増すれば都心で同じような大爆発が起きかねない。一国の総理が水素スタンド開所式ではしゃいでいる場合ではないのだ。化石燃料の輸入に頼る日本は原発事故以来、「ベースロード電源」を模索し、エネルギーセキュリティへの関心が高まっていた。そこへタイミングよく登 ………

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