波乱の芽「菅幹事長」転出

微妙なのは「菅幹事長」の実現が、安倍首相の胸先三寸というより、本人の悲願である点だ。きな臭さが漂い始めた。

2015年6月号 POLITICS [「歴代4位」菅長官の去就]

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米議会演説に「歴史的成功」と酔い痴れる安倍晋三首相とその政権。安保法制の国会成立を早々と米国に公約し、「内政に敵なし」と自信満々である。戦後70年談話も地ならしが進み、視線はすでに後半国会を素通りし、9月の自民党総裁選での再選も織り込んで、長期政権をにらんだ秋の内閣・党人事へ向いている。焦点は官邸の実力者・菅義偉官房長官が、党幹事長に転じるかどうか。4カ月先の政局だが、7月の霞が関人事も国会運営も危機管理もメディア対策も、すべてはそこに照準を合わせて進むので、今後の国政はそこから逆算し解読しなければいけない。微妙なのは「菅幹事長」の実現が、安倍首相の胸先三寸というより、菅氏本人の悲願でもある点だ。2人にすきま風は吹いていなくても、政治家の野心という業が、避けられない微妙なずれを生む。そこに波乱の芽が潜む。菅氏は5月で官房長官在職日数が歴代4位に ………

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