首相ご執心「ビッグデータ戦略」空回り

「世界最高水準のIT社会の実現」を掲げたが、先行する米国の背中は遠くなるばかり。

2015年4月号 BUSINESS

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大量に蓄積されている多種多様なビッグデータを「宝の山」として活用し、日本の稼ぐ力を強化する成長戦略の柱にしようと政府が張り切っている。しかし、どこまで利活用できるかは未知数で、情報保護など課題も多い。「ビッグデータ時代の到来」と浮かれてはいられない。安倍晋三首相は今夏、新たな成長戦略をまとめる。3年目に入ったアベノミクスの正念場だけに、首相は「未来社会を見据えた変革」にご執心だ。産業競争力会議が1月末、「成長戦略進化のための検討方針」を決めた時、首相はやや高揚していたように見えた。民間議員が「世界ではビッグデータ、人工知能の融合分野で新しい産業の息吹が感じられるが、日本は遅れを取っている」と厳しく指摘したところ、首相は、「今年はあらゆる改革を大きく前進させる1年だ。世界はビッグデータや人工知能を活用した未来社会を迎えつつある。世界で最もイ ………

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