「GPIF不要」を隠す霞が関

バランスシートでみれば明らか。官僚エゴで天下り先を守ろうと、政治家を手玉に取って大騒動。

2015年4月号 POLITICS [年金運用の「不都合な真実」]

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本誌前号で、公的年金130兆円を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の欠陥論を書いたところ、読者から「背景の考え方をもっと詳しく説明してほしい」との要請があった。政府の社会保障審議会作業班(植田和男座長)も、GPIF有識者会議(伊藤隆敏座長)も、議事録を読む限りはまともな公的年金運用の基本論はほとんどなく、役人レベルの他国との比較(ただし比較対象に問題あり)や「PKOと思われない」工夫など、些末な学者談義に終始している。これで首相官邸と厚生労働省が大論争するとは、ナントカ蛇に怖じずに見えるが、本誌では年金運用の基礎理論から始めよう。まず日本の年金システムは3階建てだ。1階部分はすべての人を対象として定額給付の基礎年金、2階部分はサラリーマンや公務員等を対象として所得比例給付の厚生年金や共済年金に相当する分で、ここまでが公的年金である。その ………

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